キル・ビル/座頭市/ラストサムライ

hj3s-kzu2004-03-01

a)『キル・ビル Vol.1』(クエンティン・タランティーノ
b)『座頭市』(北野武
c)『ラストサムライ』(エドワード・ズウィック
a) 今まで正直いってルーシー・リューのどこが良くてあんなに人気があるのか分からなかったのだが、この作品で初めて彼女をいいと思った。また栗山千明も良い(特に青葉屋でユマ・サーマンが『ヴァンパイア/最期の聖戦』みたいに天井に張り付いているシーンでの彼女の鋭い眼差し)。また見直してみたらユマ・サーマンも悪くなかった。
最初のエピソードにおけるキッチンでのバトル(ごく短いものだが)での編集の呼吸も悪くなかった(引き出しのナイフのアップ、牛乳を取りに行った黒人女がシリアルの紙箱から拳銃を撃つ、ユマ・サーマンの後ろの壁にそれがあたる、ユマ・サーマンが持っていたコーヒーカップを蹴り飛ばす、黒人女それを避ける、すかさずユマ・サーマンがナイフを投げ、すばやいパンの後、黒人女の胸にそれが突き刺さっている、といったデクパージュ)。またダリル・ハンナが昏睡中のユマ・サーマンを毒殺しに病院にやってくるシーンなども悪くない。また布袋寅泰の曲をかっこいいと思う日が来るなんて思ってもみなかった。


キル・ビル Vol.1


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b) この映画については1/14の日記を参照のこと。付け加えることはあまりない。ただ見直してみて思ったのは、最初に観た時の印象ほど悪くないな、ということ。またこの映画の独創性は、人が刀で斬られる時の切り傷というものが、まるで鞭を打ったかのように皮膚が波打つという表現を発明したことではないか(おそらくCGを使っているのか。血飛沫の感じもまた良し)。ただやっぱり鈴木慶一の音楽は酷い。あれではまるで一昔前のテレビゲームのBGMみたいだ。次回作は坂本龍一あたりでぜひ。


座頭市 北野武監督作品


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c) 別に狙ったわけではないのだが、本日観た映画はどれもチャンバラを扱っている。そのなかでは殺陣に関して一番伝統的なアプローチをしているのがこの作品。『キル・ビル』の殺陣はどちらかといえば香港映画の剣劇みたいだし、『座頭市』の殺陣は接近戦の一撃必殺なので一瞬にして終わってしまう(それが新しいといえば新しいのだが)。
時代考証が本当にいいかげんで、吉野と東京が何でこんなに近いんだ(あれじゃまるで八王子だ)とか突っ込みどころはいろいろあるが、それでもなお、プッと吹き出すこともなく(実はバイキングのような格好をした真田広之が怪演していて一度だけ思わず笑ってしまったが)二時間半あまりを観ていられたのは、役者陣の良さに尽きる。ただ残念だったのは死にゆく渡辺謙の目に最後に映る散りゆく桜、あの妙に情感を欠いた薄っぺらなショットが全てを台なしにしている。


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