誰が映画を畏れているか

a)『水俣一揆―一生を問う人々』(土本典昭
b)『不知火海』(土本典昭
上映後、土本典昭、田原総一郎、森達也のトークショーがあった。田原総一郎をナマで観たのは初めてだったが、彼のトークは絶好調でテレビのまんまというか、抱腹絶倒の面白さだった。一方、土本氏は言葉少なくぽつりぽつりとコメントをもらすだけだったが、その言葉は頭が下がるものだった。「テレビとドキュメンタリー映画」というテーマのせいだろうか。他の二人は「テレビ」と「ドキュメンタリー」について饒舌に語ったが、しかしそこでないがしろにされていたのはまさに「映画」に他ならなかった。引き合いに出されるのが時節柄、マイケル・ムーアばかりだったが、たぶんこの二人、フレデリック・ワイズマンとかろくに見ていないのだろうな。