撮影日誌 その1

本日クランクイン。まずは景気づけにスタッフ全員で借り物の『花婿、女優そしてヒモ』(ストローブ=ユイレ)のビデオ(フランスのテレビ録画、字幕なし)を参考上映で見る。皆、寝るかと思ったが意外にも熱心に見ている。昼過ぎ映画美学校出発。最初に皇居を囲繞する横移動=円移動(約15分)を3テイクほど。完成尺の短さから全部使えないのが残念。次に警視庁前に移動して、警視庁狙いで3カット。桜田門の交番のお巡りさんは脚立をこころよく貸してくれた(結局使わなかったけど)。さらに赤坂のアメリカ大使館へ。正面から風にはためく星条旗を狙っていたら、案の定、警官に囲まれるが何とか撮りきる。こういうことがあると楽しい。空腹を我慢し、羽田空港へ。まず国際線ターミナルへ行くが閑散としているので、第二ターミナルへ移動。着陸する旅客機を館内から狙っていたら、警備員に囲まれる。彼らの言い分は観光客ならOKだが、撮影隊は許可が必要とのこと。その線引きがよう分からんので押し問答。結局、第一ターミナルの屋上へ移動。なかなかいい画が撮れる。初めからこっちにしておけばよかった。日暮れも近いので、モノレール狙いで帰りの首都高を30分ほど長回し(要リテイク)。帰りの車内では疲れのためか、撮影中に居眠りをしている人も。やっとこさ映画美学校に戻り、皆でようやく飯にありつく。今日の分のラッシュを見た後、主役を加えて、「レザーフェイス」カットや「十字架」カットなどを撮り、今日の撮影は終了。皆様お疲れ様でした。帰宅するとかなり前に注文していたバートン・ベイグのストローブ=ユイレ論『Landscapes of resistance』が届いていて偶然の符合に驚く。さらにテレビをつけるとヨン様主演ドラマがスカパーでやっていてさらに偶然の符合にたじろぐ。