ジャン・ルーシュを(再)発見しよう

a)『モソ・モソ』(ジャン=アンドレ・フィエスキ)★★
b)『メートル・フ』(ジャン・ルーシュ)★★★★


ジャン・ルーシュの特集上映初日。満員になるかと思って早めに行ったのだが、意外に空いていた。ドキュメンタリー映画作家を志す人はもちろんのこと、そうでない映画好きも見に来てしかるべきだと思うのだが。英語字幕というのが敷居を高くしているのだろうか。でもゴダールの上映なら皆、英語字幕でも見に来るのにね。あなた方はゴダールが1965年(つまり『気狂いピエロ』の年)の時点で「解放以後」(つまり戦後ね)のフランス映画のベストテンとしてコクトー(3位)、ルノワール(4位)、ブレッソン(5位)を差し置いてジャン・ルーシュの『人間ピラミッド』を選んだ(2位)ことを御存じないのか(ちなみに1位はオフュルスの『快楽』)。その位、重要な映画作家なのだった、ジャン・ルーシュは。『メートル・フ』なんて見ているだけで圧倒されるし。この作品、以前見た時の記憶ではトランス状態に入った黒人たちが生きた犬に襲いかかって皆で喰い殺してしまうというシーンがあったように思ったのだが、再見したらそんなことはなかった(まあ残酷なことには違いないけど)。『メートル・フ』は明日も上映するので見逃さないように。日本で配給されたりソフト化されることはまずないと思うので。


ジャン・ルーシュ 没後1年 http://www.ifjtokyo.or.jp/culture/cinema_j.html#Rouch