撮影日誌その1

朝6時に起きて(こんな時間に起きたのはいつ以来だろう)、シャワーを浴び、電車に揺られて東京駅へ。珍しく集合時間キッチリに着いたので、カントクのI嬢と録音のEくんに驚かれる。これが何かの前兆だということはこの時、スタッフの誰も気づかなかったのだった…。9時前には大田区の閑静な住宅街にあるロケ場所の廃屋に着く。そこで段取りなどを説明された後、役者さん待ち。しばらくして脇を固める三人を迎えにいったUくんの車が帰ってくる。うち二人は音楽家なので、セッション的なものを交えたコミカルな場面を数カット。昼食にしてヒロインを待つ。が、待てど暮らせど彼女からの連絡はない。そうこうするうちに本日のもう一人のキャストMくんがやってくる。15時になった時点でヒロインが来ないと話にならないので、もう今日は解散しようということになる。しかし…今度は突然、自動車が動かなくなった…。どうやらバッテリー切れらしい。JAFを待つこと30分。あーだこーだやって一万円も取ったくせに、近くの自動車部品店でバッテリーを交換してくれと言い残して彼は去った。で、カントクとUくんがバッテリーの買い出しへ。残されたわれわれはなすすべもなく、ぼーっと庭の緑が風にそよぐのを眺めながら無為に二時間ほど過ごす。放置プレイってこんな感じなのだろうかとアホなことを思いつつ。ギターを爪弾く者、寝る者、読書をする者。起きているスタッフが私ひとりなので、状況を役者さんに報告しなくてはならないのだが、修理はなかなか終わらない(役者さんがカントクの友人でよかった)。18時ごろようやく自動車が帰ってくる。役者さんたちを駅に送った後、B学校に機材を返却に戻る。ヒロインからドタキャンのお詫びメール。そのまま私は映画祭用の映写テスト。思ったほどの効果が出ておらず再編集の必要を感じる。今後のヒロイン対策をどうするか皆で思い悩んだ後、解散。皆さんお疲れさまでした。挫けずに頑張りましょう。