情無用の刑事まつり

a)「情無用の刑事まつり」より(順不同)
 『デカドローム』(中平一史)●
 『噂の刑事 セロテープとエレベーター』(鈴木浩介)●
 『おんぶ刑事』(ナシモトタオ)●
 『刑事ローグ』(城定秀夫)★
 『パラダイスボンボン刑事』(古田亘)●
 『顔刑事』(デモ田中)●
 『おれ、刑事』(島田元)★
 『寿しデカ』(藤原章)●
b)『脅迫者』(ブリテイン・ウィンダスト/ラオール・ウォルシュ)★★★★
c)『ペルシャ大王』(ラオール・ウォルシュ)★★
a)『デカドローム』は三輪ひとみの死に顔のクローズアップだけ良かった。『刑事ローグ』は前半あまり乗れなかったものの、後半、キャメラが客観ショットに切り換わってからの長回し(特にオフの使い方)はかなり充実している。ただせっかく長宗我部陽子という素晴らしい女優を得ていながら、それを活かし切っていないのが残念。『おれ、刑事』は島田元という「生きものの記録」として貴重。ただ『刑事ローグ』とは逆に前半の主観ショットの方が面白かった。この作品を枠づける西山朱子のクローズアップは素晴らしい。最後に「刑事まつり」でおそらく最多出演していると思われる中原翔子さんについて一言。これは彼女自身というよりは、演出家の問題なのだが、最近の出演作品を見ると完全にクリシェ的な使われ方しかされてないので非常にもったいない。演出家が思考停止しているせいである。貞淑な人妻役とかさせたらかなり魅力的だと思うのだが。


昨日から勝手に自主映画鑑賞週間に突入。で、今日は「刑事まつり」を見に下北沢へ。終わるやいなや、そのままアテネに駆けつけ、ウォルシュ二本立てを堪能。『ペルシャ大王』は題名に偽りあり。てっきり『アレクサンダー大王』(ロッセン)みたいな話だと思っていたが、実は旧約聖書の「エステル記」の話だった。てことはアモス・ギタイの『エステル』はウォルシュのリメイクということになるな。撮影監督がマリオ・バーヴァだったのには吃驚。
上映後、明日の映写テストをしに京橋に。帰りに6期生のYさん(『ちえみちゃんとこっくんぱっちょ』)、Yさん(事務局)、Nさん(前作ではお世話になりました)ら美女たち、およびSくん(『女たち』)、Hくん、Oくんと呑む。Sくんに「無人島に持っていく一本は?」というどうでもいい、しかし重要かも知れない難問を突き付けられ、普段そういうことを考えたことがないので悩みに悩んだ末に『曲馬団のサリー』(グリフィス)と答えてごまかす(でも案外本音かも)。ちなみにSくんは『たそがれの女心』(オフュルス)だそうな。オッ、いい趣味してるね。そんなナイスな彼には鑑賞可能なキン・フー全部と『エロティック・ハウス/愛奴』(傑作!)と『片腕カンフーと空飛ぶギロチン』をオススメしておいた。

さあ、皆さん明日からは映画美学校映画祭ですよ!ただ今年はIさんの撮影が重なってしまっているので、全作品レビューは無理みたい。代わりによしださんお願いします。