映画美学校映画祭2006その1

映画美学校映画祭2006より。
『神よ!神よ!滅びを告げよ!』★
保津川の急流2006』★★
『殺戮半魚人』●
『The stories of the dreams』●
『On seeing the perfect girl』●
『さよなら、ナイチンゲール』★
『三十歳で死ぬ』★
『白目物語』●
『一緒にネ!』★
『近所のキネマ通り』●
『じかげん』★
『万事即興』●
『神よ!神よ!滅びを告げよ!』はこの作家の前作に比べると技術的に進歩が見られるものの編集でごまかしているような印象を受けた。ただしラストに数カット登場する聖母マリア役の女優のアップだけは素晴らしい。『保津川の急流2006』は企画の勝利。ただそれ以上のものがそこにあったかというと疑問。『殺戮半魚人』はどこかで見たイメージの縮小再生産の気が。オチも面白いとは思えない。『The stories of the dreams』は、もしこの方法論を続けるつもりなら、『ラ・ジュテ』(クリス・マルケル)を見直したほうがいい。というかそういう問題でもないか。『On seeing the perfect girl』は以前、同じ映画祭で出品されたものの再編集版だが、単に無駄に長くなっているだけ。冒頭の風景カットの積み重ねは不要。もっと単刀直入に物語に入るべき。『さよなら、ナイチンゲール』は惜しい。あともう少し何かほしい。『三十歳で死ぬ』はいわゆる「モキュメンタリー」だが、これが「ドキュメンタリー」だったらよかったのに。『白目物語』の作家は、こういう虚構性の高い題材より、日常的な題材の方が向いていると思う(一昨年の『光の記憶』のように)。『一緒にネ!』は主人公たちの日常生活を描いていない点が物足りない。『近所のキネマ通り』は被写体である「土地」との遭遇を撮影者がどこまでも回避している点が問題。『じかげん』はナレーターの語り口に救われている。『万事即興』は作り手が本気でない以上、こちらも本気でコメントするいわれはない。
a)『殺しのはらわた MASTERS OF KILLER』(篠崎誠)★★★★
b)『黒蜥蜴』(深作欣二)★★★★
c)『怪猫トルコ風呂』(山口和彦)★★★