十二夜』の興奮さめやらぬ中、NHK教育で「第32回俳優祭」を放送したので見る。目玉は玉三郎の『白雪姫』(作・演出は菊五郎)。キャストが豪華。団十郎・海老蔵親子が后と鏡の精を演じて、鏡を挟んでマルクス兄弟のギャグ(というより、ほとんどドリフ)をやったりするのも可笑しいのだが(ちなみに団十郎の女形は絵沢萌子そっくりだった)、一番凄かったのは、毒林檎を齧って玉三郎が倒れると、紅白の小林幸子みたいな格好の菊五郎演じる千手観音が突如現れ(彼の後ろに「手」役の黒子が電車ごっこのように何人も控えている)、「北千住〜北千住〜、次は南千住〜」とアナウンスするや、いきなり音楽に合わせパラパラを踊り始め(もちろん「千手」を使って)、最後に玉三郎を一瞥し「乗り過ごしのないよう、お気をつけ下さい〜」と言って消えていく物語の脈絡とは全く無関係なギャグ。やっぱこの人凄いわ、と改めて思った。