投票のススメ

a) neofest 夏 2007より
『お城が見える』○
『最後の笑顔』×
『昇らない太陽』×
『女、けだもの』×
『“WHERE WERE YOU?”』×
『In The Past』×
『写真をよろしく』△
選挙に行ってから出かけたので「neofest」の今日の一本目には間に合わず。『お城が見える』(小出豊)の完成度の高さについては以前述べた。『写真をよろしく』(遠藤協)の力は被写体の魅力によるところが大きい(これはドキュメンタリーに限らず大事)。安易な字幕(というよりテロップ)の多用がやや惜しまれる。途中疲れたので16時の回は抜けたが、観客賞上位の作品タイトルを見て、世間と自分の映画的感性の間の大きなズレを再認識した。ただ上映終了後の交流会で今回、二日通して全作品を見た講評担当の大西、猿山の両映像作家がベストワンに推したのは、観客賞にかすりもしなかった『お城が見える』で、見る人が見ればこの作品を選ぶのは当然とはいえ、やや安心した。『お城が見える』の作家に欠けているのは、集客のための営業努力(これは自主、商業を問わず必要では)。チラシ等に載せる説明文やスチール写真の選択にももう少し気を遣った方がよいのでは、と余計なお世話ながら思う。なお×をつけた作品に関しては、映画を「自己表現」のツールと捉えているのではなかろうかという疑問が見ている間中、消えなかった。映画作家が描くべきは「自己」ではなく「世界」のはず。

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与党が惨敗して誠にめでたいかぎりだが、民主党ひとり勝ちというのもいかがなものか(というのもメディアの誘導の結果とも見えなくないので。だとしたら恐るべきことに有権者の意識は何も変わっていないことになる)。もう少し他の野党にも均等に票が流れた方が健全だとは思う。なお丸川珠代が当選するとは思わなかったが(まあ男性票を集めたことが予想されるが)、これから予想される週刊誌の更なるバッシングにもめげずに頑張ってほしいとは思う(個人的にファンなので)。あ、ちなみに私は都民ではないので、念のため。

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7/29(日)は参院選の投票日です。必ず投票してから遊びにでかけるように(当日行けない人は期日前投票を)!
以下、「どこに投票したらいいか、わかーんなーい」とか言っている人への余計なお世話。
とりあえず大新聞(ただしスポーツ新聞はダメ)を開くと、各党のマニフェストを論点ごとに分類して並べた一覧表が載っているはずなので、それをよく読むこと(新聞社のサイトにも載っている)。自分に関心のある項目(例えば改憲とか年金とか)を比較して、一番、自分の「利害」と一致した政党に投票するのが正しいやり方。この時、一覧表の政党名を伏せてから比較すると、先入観に振り回されないで済む。何となくキライだった政党が自分の立場と近かったり、何となくスキだった政党が自分の立場とは真逆だったりするのを発見することもある。ただし抽象的な美辞麗句には惑わされないように注意。
「この政党はキライだけど、この候補者の人柄はよさそうなんで、この人に入れようかな」とか考えるのは大間違い。政治は「人柄」でするものではありません。そんな「イメージ」はいくらでも「操作可能」だということは、キチンと映画を見ている人ならわかるはず。
投票は「人柄」ではなく「政党」にするもの。その辺の初歩的なことが分かっていない人はマックス・ヴェーバーの『職業としての政治』(岩波文庫)を読むように。薄い本だし、すぐ読めます。難しくありません。中学程度の学力で読めます(私も中3の時読みました)。
一回一回の選択が長期的な目で見ると必ず自分の生活に跳ね返ってくることをお忘れなく(実際、今そうでしょ?)。
以上のアドバイスが少しでもお役に立つことを祈りつつ。

職業としての政治 (岩波文庫)

職業としての政治 (岩波文庫)