「桃まつりpresents真夜中の宴」のまとめ

と、まあ下記のような告知を出した「桃まつり」でしたが、結果はというと何と最終日の動員は120人を超え、満員御礼までにはあと少しだったものの(というのも大きい方の劇場だったので)かなり素晴らしい成績を残して有終の美を飾ったのでした(拍手)。上映後にロビーで待機していたのですが、誰も文句を言ってこなかったところをみると『みかこのブルース』(青山あゆみ)には皆さんご満足いただけたみたいですね。約一月半後には関西に遠征されるということなので、今回はご祝儀としてそれぞれの作品の辛口批評は控えさせてもらいます。なお、すでに述べたように、評価に値する作品が各宴に最低一本以上はありますので、これをお読みの関西方面の方はどうぞ三回とも通ってあげて下さい。
個々の作品の出来不出来については口を噤むとして、この企画自体についての感想をざっと述べてみたいのですが、実をいうと当初はこの「桃まつり」を「女性監督ブーム」に乗っかった安易な企画ではないかという色眼鏡で見ていた私ですが(そのため初めのうちは自分から積極的に宣伝はしませんでした)、実際に劇場に行き、彼女たちの努力を目にするにつれ、考えが変化しました。やはり映画は見られてこそなんぼのものだし、相応の才能がありながら、なかなか世に出る機会に恵まれない新人女性映画作家のショーケースとしては「桃まつり」はかなり面白い試みだったと思います。これを見て「私も撮りたい!」と思う女性が一人でも多く増えると、世の中がもっと多様で面白くなると思います。
「桃まつり」パンフでCHIN-GO!氏が書いた文章の中の「映画美学校というところの、やってきた生徒の企画、脚本の検討、制作の歴史は、“(映画をつくる主体としての)女性の発見”でもあったといえる」という一節には蒙を開かれた思いがしたのですが、確かにこの十年を振り返ってみるならば、映画史的にみてもこれほど大量の女性映画作家を輩出した教育機関は他にないでしょう。
やや脱線してしまいましたが、来年以降もぜひこの「桃まつり」という「実験」を続けてもらいたいと企画に関わったスタッフに望みたいと思います。ただし上映される個々の作品のクオリティを一層上げていくという条件においてですが(特に演出・脚本の面で)。
以上、長々と述べてきましたが、友人である彼女たちには、本当にお疲れさまでした、とねぎらいの言葉をかけたいと思います。関西遠征も頑張ってね。

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a)『アウト・ワン 第一話〜第四話』(ジャック・リヴェット)◎
で昨日、桃の打ち上げということで当然、朝までコースとなり、仮眠した後、日仏へ。睡眠不足のため、計六時間にわたる上映中、何度も意識を失う。やはり徹夜の後の映画はキツイね。今日は早く寝よ。