桃まつり、西へ その1

前日見た『PASSION』(濱口竜介)を巡って、熱いコメントの応酬が深夜に勃発してしまい、翌朝は早起きして新幹線に乗らなくてはならないのだが、全く寝られないので『ゆれる』(西川美和)を見始める。今までスルーしてきたこの作品だが、何故、今頃見ているのかというと、ひとえに「真木よう子が出ているから」という理由に尽きる(爆)。*1最初のうちは、そんなに悪くないじゃん、という印象だったのだが(ブラ着用のベッドシーンはいかがなものかとは思うが)、吊り橋のシーンでの思わせぶりな演出に見る気が失せ、ここで真木よう子も退場となるので、残りを32倍速で早送り再生し、寝る。
で、二時間ほど仮眠してから出発。新幹線といえば、やっぱビールでしょ!というわけで新大阪到着三十分前から飲み始め、ハイテンションになっていくが、隣席の桃監督(下戸)に「酔っぱらい」とか「酒くさい」とか嫌がられる。すると一足先に現地に着いているOさんからグッド・タイミングで某桃監督がビールグラス片手にほろ酔い顔の写真がメールで送られてきて大爆笑する(お見せできないのが残念)。そんなこんなでようやく現地に到着。大阪プラネットプラスワンの下のカフェ「太陽の塔」に入ると、何と横浜聡子さんがいた。聞けば京都で舞台挨拶があるので立ち寄ったという。司会の皆川さん、支配人の富岡さん、桃ツアーに同行した「エクス・ポ」の編集者の藤原ちからさん(id:fchikara)にご挨拶。
で、「女性のための映画制作講座」の打ち合わせが始まるが、しばらくして、あれ、一人足りなくない?ということに、皆、この時点になってようやく気づき出す。で、Oさんが慌ててその方に電話をすると、まだ東京にいた。
当初のプランが若干変更になり、講座が始まる。製作、脚本、監督、録音といった各パートのプロとしての経験を語る彼女たちの話は実にためになった(ヨイショではない)。で、Kさんの話が始まった辺りで、私は中崎町駅に遅刻常習犯を迎えに行く。会ってみるとあまり反省の色なし。会場に戻ると、ちょうど彼女の本来の出番の辺りで、遅刻女史はあたかも初めからそこにいたかのような落ち着きはらった態度で自分の出番をこなすという大女優っぷりを発揮し、関係者一同を驚嘆させる(ホント、新幹線があってよかったねー)。最初は空席があった会場も、トークが進むにつれ満席に。終了後のお茶会はホント女だらけで、彼女たちのパワーに圧倒されつつ、男どもは肩身の狭い思いをしながら隅っこでケーキをつつく。
その後、上映ホールで特別プログラムの『ユキとカナコの昼下がり』(神農了愛)、『春雨ワンダフル』(青山あゆみ)、『犬を撃つ』(木村有理子)、『シェアリング』(清水艶)を続けて鑑賞。東京と大阪のテイストの違いって映画作りにおいてもやはりあるんだねえ、と妙に感心。五年ぶりに再見した『春雨ワンダフル』にはとても感動し、この作品を正当に評価できなかった、かつての自分に激しくダメ出し。監督本人にも、オレの目は節穴だった、と詫びる。女だらけのセミナーとは反対に客席は東京と同様、男性客が多かった。彼女たちは何処へ。
上映後、宿に荷物を置いてから、皆で飲み。『セカチュー』がいかに駄目なのかを熱く語る富岡さんに感銘を受け、自分もこれからはクソ邦画をスルーしないで、キチンと批評せねばと思う。『恋空』も見なきゃ。
再び会場に戻り、今度は一階のカフェで深夜のトークショー。客席の男女比は半々くらいか(おそらくオールナイト上映も同様かと)。富岡さんや客席からの鋭いツッコミに彼女たちはブリリアントに切り返していた。トーク終了後、某監督の「寝酒が飲みたい」との一言に近所のバーで再び飲み。帰り際にプラネットのスタッフの桝井くん(大阪のストロービアン)とお友達になる。宿に帰るとチェックアウトまで数時間しかないのだった。また睡眠不足かよ。

*1:大学時代の友人が演出している回があったので、最近「週刊真木よう子」を見始めたのだが、その回は全く面白くなかったものの、翌週がそこそこ面白く(警官がキャバ嬢をストーキングして、彼女を殺した後、自殺した事件に基づく実録もの)、さらに次の週の「恋泥棒ヨーコ」がかなり面白かったので(オノ・ヨーコの物真似が最高)、真木よう子萌えしてしまい、「月刊真木よう子」(リリー・フランキーが撮影した方)も買ってしまった(爆)。[asin:4107901831:detail]