a)『トウキョウソナタ』(黒沢清)◎
b)『塀の中のプレイボール』(鈴木則文)○
c)『兄弟仁義・逆縁の盃』(鈴木則文)◎
トウキョウソナタ』は、芸術の存在理由について語っていると同時に、この作品自体が芸術の存在理由の証明となっている。極めて美しく、真に偉大な映画。今日の惨状を救うのは、もはや革命か芸術しかないが、それらを行い得るのは子供たちだけである。この映画は静かに、だが力強くそう告げている。キョンキョンが素晴らしい。
黒沢清の新作に深く感動した後、則文へ。『塀の中のプレイボール』は冒頭、いきなり草刈正雄と小林ひとみ(!)のツーショットというもの凄いものを見せられ吃驚(しかもベッドシーンまで)。『兄弟仁義・逆縁の盃』は、北島三郎の乱闘を望遠レンズで延々長回しで追い、ここぞという時にアングル替わってポンと寄りの画が入るアヴァンタイトルから痺れる。