渋谷の吉田松陰

a)『フォルティーニ/シナイの犬たち』(ストローブ=ユイレ)◎
『ひどい仕打ち』(アンソニー・マン)のDVDを途中まで見てから、アテネにストローブ=ユイレを見に行くと佐藤雄一くんがいたので、そのまま拉致って渋谷BRAINZの赤坂大輔さんの講義に一緒にお邪魔する。
講義は、まず導入として現代映画の祖であるロッセリーニブレッソンを取り上げ、二人の差異をフレームの内と外の関係に即して明快に整理し(これには目からウロコ)、前者における「死んだ時間」(これはメディアにおいては放送事故、あるいは非常事態にしか現れない)が現代の映画作家にどのように受け継がれているかの例として『騎士の名誉』(アルベルト・セーラ)などを見せ*1、さらにイメージ批判としての現代映画のもう一つの傾向として「上演の映画」を挙げ、これらの例として『春の祭典』(オリヴェイラ)、『アナ』(アントニオ・レイス)、『ディオニュソス』(ジャン・ルーシュ)などの抜粋を見せてくれた(感涙)。
今回は立ち見がでるほどの大盛況。渋谷のど真ん中にひっそりと建つマンションの一室でこんなハードコアな講義が行われていたとは……。幕末の松下村塾って、たぶんこんな感じだったのではなかろうか。
皆さんもこんな凄くてお得な講義を聞き逃すという手はないのでぜひ参加しましょう(男子だけじゃなくハードコアな女子もぜひ)。一回づつでも受講可、当日飛び込みも可とのこと。なお次回は12/18(HEADZオンラインショップから申し込めます)。
講義終了後、皆で呑みながら歓談してから(東京国際で「ケン・ローチ!」と叫んだ青年(タッキー似)にも会う)、「テルポ」の藤原さん、HEADZのアニーさん、快快のシノダさんと和民で呑み。初対面のシノダさんが去年のヤマガタで黄牛田電影を見ていたので驚く。午前三時という中途半端な時間に店を出され、皆なぜか異様なハイテンションのままドンキに突入し、さらに坐・和民で朝まで呑み。

*1:http://www.ncncine.com/timelessncnc.html