映画作家 中原昌也
「テルポ」の藤原さんに誘われてポケットフィルムフェスティバルに行く。今年は規模が縮小されてしまったらしく、日本勢の新作はなく、去年の再上映とのこと。といっても寝坊してしまったので、シンポ第一部からの参加。日本勢のプログラムを見た藤原さんによれば中原昌也さんの『適当な映画』だけ「映画」していたとのこと。見たかった、残念。で、シンポ第一部が終わり、休憩時間にロビーに置かれていたモニターに何気なく目を遣ると、先ほど藤原さんが語ってくれた中原さんの短編のまさにファーストショットが映っているではないの!ひとり興奮し、モニターの前に立って、まるまる全部見てしまった。あんなにモニターを集中して見つめる人間もそういなかったので、周りの人たちには怪訝な目で見られたかも。
で、この映画の素晴らしさを語るつもりで全ショット記憶したのだが、もしやと思って公式サイトをチェックしてみたら、何とネットで全編見られるのだった。横浜まで行く必要なかった……(交通費高いし)。映画好きの間でもこの作品のことは話題になった記憶がないので、たぶんあまり知られていない作品だと思う(単に私が知らなかっただけなのかも知らんけど)。中原さんがケータイで短編を撮ったというのは、確か『映画の頭脳破壊』連載中の金井姉妹との鼎談でちょこっと触れられていたのを読んで知っていて、前から見たかったのだが、こんなに簡単に見られるとは知らなんだ。
もっと多くの映画好きに見られるべき作品だと思うので、以下にリンクを。フルスクリーンでご覧あれ。
適当な映画 http://www.pocketfilms.jp/archive/2007/theme/screen/nakahara_sc.html
フレームアウトしたはずの猫の尻尾が画面の端に映り込んでいて、それがカット尻でくねくね動いている感じがとってもチャーミングなのだが、クレジットを見たら『AA』組の今井くんが編集していた。いい仕事してんなー。
他に『猫』という掌編も見られ、これもタイトル通り、猫を長回しで撮っているだけなのだが、いい感じに猫に光が射していて毛並みがつやつやと光っている感じや、画面外から聞こえる不穏な音響に反応して猫がキョドったりする感じが実に素晴らしい。
猫 http://www.pocketfilms.jp/archive/2007/theme/mobile/nakahara.html
で、映画作家中原昌也の発見に興奮した後だったので(ぜひ今後も撮り続けて下さいまし!)、外国勢の作品はどれもつまらなく(ただid:fchikara:20090125でも触れられていたキンシャサのやつはちょっと引っかかるものはあった)、フィトゥッシくんの『ローマ王のための夜想曲』ほどの傑作は皆無。
シンポ第二部も聞きたかったのだが諦め、筒井邸にお邪魔し作戦会議。
- 作者: 中原昌也
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2008/03
- メディア: 単行本
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