関西訪問記 その4

桃娘たちが舞台挨拶に来ることを昨晩知らされたので、朝食食べてから仮眠し、午前中に目覚める。今回の旅行中、ようやくホテルの朝食にありつけた。焼きたてパンとオレンジジュースがおいしい。というか、こう毎日呑んで朝帰りし、二、三時間(時には一時間)ほど仮眠して外出という生活なので、あまりホテルに泊まる意味ないような気もするのだが、ここはとても快適だった。プラネットまで歩いて十分だし。
中崎町まで歩いて行き、「’08桃まつりセレクション」の二本目『功夫哀歌/カンフーエレジー』(吉田良子)の途中から見始める。三本目の『きつね大回転』(片桐絵梨子)が終わると、大野Pによる舞台挨拶。外に出ると竹本さん、粟津さん、山崎さんもいる。一週間ぶりの再会。でプラネットの下のカフェ、太陽の塔でお茶をしながら、五月の関西上陸作戦の計画を皆でねっていると、桝井くんがやってきて私にお客さんだと言う。誰かと思えば、ケンシロウ氏であった!やはり「映画となると話はどこからでも始まる」ではないが、映画を愛するもの同士、話せば分かり合えるのだった。話している途中で、店の外に宮川さんの姿が見えたので、挨拶しなきゃと思い、中座。しばし再会を喜ぶ。「’09桃まつりセレクション」を見に来たとのことで、本当は今日はもう家に帰る予定だったのだが、また戻ってきて呑みに参加してくれるとのこと。何て素敵な人なんだろう!往復二時間もかかるのに!。カフェに戻るとケンシロウさんの姿が消えていた。どうやら次の上映を見に行ったらしい。
で、私も『古澤健のMっぽいの、大好き』(古澤健)から。冒頭の『T2』のパロディ(つまり映画作家本人が全裸で出演)から『オトシモノ』を巡る自虐ネタまで、いやー、カラダ張っていて実に素晴らしい。自分の中では古澤さんのポイントアップ。それに比べると再見の『先生、夢まちがえた』はノれなかったのだが、そうか『Mっぽいの』の方が後に撮られたのかと納得。
続いて『四畳半革命〜白夜に死す〜』(世志男)。「いま・なぜ・これを撮るのか」が全く見えてこない映画。たぶんこの作者は70年代東映アクションとか好きなんだと思うのだが、だとしたら、なぜこのような主題(学生運動と内ゲバ)を選んだのか。主題に対する考察が上っ面すぎ。またクリシェの連打にも辟易した。っていうか、最初の十五分とその後の主人公のキャラクター、全く別人に見えるんだけど。あれだけニヒルに登場した人間が実は童貞ってありえないでしょ。ミニシアターとはいえ、こんな代物が金とって劇場公開されたという事実に衝撃を受ける。もう少し真面目に撮って欲しい(もしかしたら本人は大真面目なのかもしれんが)。
ぐったりと疲れたので、今日見る映画はこれにて終了とし、ケンシロウさんと呑みに行く。途中、彼の友人のテレンスさんに会ったので三人で。呑みながら大いに意気投合し、いつの間にか一緒に上映会をすることに決定。
かれこれ四時間も呑んでいると桝井くんから電話があり、他の皆と合流することに。で、丼ものとうどんの美味しい呑み屋さんに河岸を変え、朝方まで賑やかに呑む。始発の時間になったので大阪駅に向かって古澤さんと宮川さんと三人で歩いていくと、ヘベレケになった某嬢から電話があり、自分がどこにいるのかわからないというので、心配になり皆で引き返すと、プラネットの前に立っていた。とりあえず中で寝ていた桝井くんを電話で叩き起こし、彼女を無事収容してから、また来た道を戻る。皆を見送ってから、ホテルに戻って、朝食を食べてから仮眠を取り、午前の新幹線で帰京。道中爆睡。夕方から仕事。夜行バスのチケット無駄にしてしまった。