関西訪問記Part2 その4

朝8時に大阪到着。プラネットの上映にはまだだいぶ間があるので、荷物を中崎町のコインロッカーに預けてから、十三の第七藝術劇場に友人が絶賛していた『小三治』(康宇政)を見に行く。興奮して友人にメールを送る。以下、その抜粋。

で『小三治』ですが、確かに素晴らしい!教えてくれてどうもありがとう!(略)この映画、何が素晴らしいって、やはり被写体である小三治師匠ですね。顔よし声よし、語られる言葉も深い。彼を被写体に選んだ時点でこの映画の成功は半分以上保証されたようなものですが、この監督のエラいところは自意識を引っ込めて、対象の魅力を観客に伝えるために慎ましく裏方に徹しているところでしょう。小三治の高座も素晴らしく、映像で落語を見て初めて面白いと思いました。小三治は優れた「演出家」であると同時に「役者」ですね。彼が左右を向いて役柄を演じ分ける時、それはまるで二人の役者による切り返しショットを見ているようで、あ、落語って上手い噺家がやるとまさに「映画」なんだ!と感嘆しました。(略)「演じる」ということの本質を小三治は確かに示していました。そしてあの黒くて深い目!感動しました。ただ旅疲れで最後の演目の時にうとうとしてしまい、そこを聞き逃してしまったことです。残念。

というわけで、この映画はモノづくりをしている人は必見。ただ難を言うと数カ所、テレビ風の解説ナレーションが入るがあれはいらないと思う。
で、その後、プラネットに戻り、「シネ・クラシック・ショート」を2プログラムと桃の短編集を観賞。『とどまるか なくなるか』(瀬田なつき)だけ音のレベル設定が違っていたのか、ボリュームが小さく、台詞が結構聞き取りづらかった。あれではあの作品の魅力の半分も伝わらなかったと思う。せっかくの傑作なのに残念。で、終わってからケンシロウ氏と安川(妹)さんと終電まで呑み。

a)『小三治』(康宇政)○
b) 『微笑むブーデ夫人』(ジュルメール・デュラック)△
『マッチ売りの少女』(ジャン・ルノワール)◎
『男の子は皆パトリックという名前なのね?』(ジャン=リュック・ゴダール)◎
『タンスと二人の男』(ロマン・ポランスキー
c) 『午後の編目』(マヤ・デレン)△
『あこがれ』(フランソワ・トリュフォー)◎
『小さな冒険旅行』(大島渚)△
d) 『犬情』(粟津慶子)
『とどまるか なくなるか』(瀬田なつき)
『パンとキリスト』(山崎都世子)
『サドンチョイス』(篠原悦子)