朝、新宿到着。疲労のためか、しばらく目が覚めず、目を開けたら周りの座席には誰もいなかった。慌てて外に出て、荷物を受け取る。ちょっとふらふらする。
家に帰り、数時間ほど仮眠した後、大阪芸大の修了展を見にユーロスペースに行く。柴田さんがいたので挨拶。『NN』初見。デビュー作からいきなりスケールのでかいことに取り組もうとしている。撮影があまり良くないのがちょっと残念。面白かったです、とのみ監督本人に感想を伝えアテネに移動。
西山洋市最新傑作短編三本立て。『吸血鬼ハンターの逆襲』のみ初見。ムルナウに始まり、ドライヤーを経由し、ついには『回路』の黒沢清がやろうとしてできなかったことをたった30分で表現しているのには心底驚かされた。しかしこの数年のこの映画作家は新作を撮るたびにますます凄すぎる世界に突入していく。西山洋市どこへ行く。今のところ、今年見た日本映画ではこれがベストワン。
再び、ユーロに戻り、熊切・柴田両氏の上映後のトークが聞きたかったので、『鬼畜大宴会』を十二年ぶりに再見。旧ユーロで封切りされた時に見に行って、目を背けたくなるようなあまりの不快さに途中退席したくなったものだが、再見してもその印象は変わらず。他人の妄想をスクリーンで見せられるほどおぞましいことはない。トークで柴田さんがこの作品を「デス青春映画」と呼んでいたのには、上手いネーミングだなーと思った。しかしホント、この人、頭の回転が速いわ。トーク中、九割近く彼が一人で喋っていたが、実に興味深い話だった。

a)『NN891102』(柴田剛)○
b)『INAZUMA 稲妻』(西山洋市)◎
『死なば諸共』(西山洋市)◎
『吸血鬼ハンターの逆襲』(西山洋市)◎
c)『鬼畜大宴会』(熊切和嘉)×