a)「ぴあフィルムフェスティバルの軌跡 vol.2」より
『to Mayu』(隅井朝子)
『悲しいだけ』(豊島圭介)
『灼熱のドッジボール』(古厩智之
『家族ケチャップ』(工藤義洋)
b)『ルパン三世 念力珍作戦』(坪島孝)△
c)『美味しんぼ』(森崎東)◎
15年ぶりにスクリーンで見直した『悲しいだけ』は台詞、芝居、音楽がクサくて見ながら赤面しそうになったが(当時は「学生映画」にだけはすまいとしてやっていたのだが、しっかり「学生映画」していた・笑)、画面に関していうと、キャメポジは一ヶ所を除いて(夜行バスの車内のショット)全て正しいところに置かれていたので、我ながらグッジョブと思いつつ見た。特に正面、正面で押して行ったキャメラ軸が物語上のターニングポイントで(主にPOVとして提示されつつ)ふいに斜めに入るあたりの呼吸はたぶん無意識にやっていたんだと思うがお見事。
美味しんぼ』の素晴らしさはテレビモニターで見ても絶対に分からないのでスクリーンでの観賞を勧める。35ミリフィルムだけが捉えることのできるモノの質感と表現力。佐藤浩市が丹波に行くと言った後にふいに挿入されるロングショットとそこに吹く雪の美しさ。そこからはもう泣かされ通し。フジテレビが製作した映画の中で彼らが唯一誇ってよい傑作。