アヴィ・モグラビ

a)『国外追放』(アヴィ・モグラビ)○
b)『ハッピー・バースデー、Mr.モグラビ』(アヴィ・モグラビ)○
c)『二つの目のうち片方のために』(アヴィ・モグラビ)○
d)『ディテール11〜13』(アヴィ・モグラビ)△
e)『8月、爆発の前』(アヴィ・モグラビ)△
アヴィ・モグラビは「お笑い系政治的セルフ・ドキュメンタリー」(今、勝手にそういうジャンルを思いついた)の人かと今まで思っていたのだが、『国外追放』や『二つの目のうち片方のために』を見ると、ハードコア(略してハーコー)な面もあるのだということがわかり驚く。ヤマガタで上映される最新作『Z32』はどっちの系譜なんだろう。今から楽しみ(トークショーでの言葉から判断する限り、ハーコー路線のような気もするが)。別に駄洒落を言うつもりはないのだが、映画で見る限りモグラみたいなルックスの人かと思っていたら(このアナロジーは自分の巣穴と外部の力との折衝という主題系が彼の作品全体に貫かれていることからも強化されるし、実際、彼は自分の巣穴から―その印象は広角レンズによる空間の歪みによってさらに強調される―私たちに語りかける)、実物は白髪の渋い貫禄のある人だった。
なおジャン=ルイ・コモリが「カイエ・デュ・シネマ」に書いたモグラビの紹介文の日本語訳が「カイエ」のサイトで読める(翻訳は角井誠くん)
http://www.cahiersducinema.com/article621.html