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東京国際映画祭2009 その6

a)『生きていく日々』(アン・ホイ)△
b)『夜と霧』(アン・ホイ)△
c)『静かな光』(カルロス・レイガダス)△
d)『ハポン』(カルロス・レイガダス)△
『生きていく日々』は香港の新興団地に住むおばさんとその息子(イケメン)、そして彼女が働くスーパーの同僚のおばあさんの三人の関係を軸に、二人の女性の友情関係を綴っていく心温まるいい話。おばあさんが団地の下の家電店でテレビを買おうとすると、おばさんが通りかかり、息子を呼んでおばあさんの家までそれを抱えて運ばせるシーンや、おばあさんがおばさんに付き添ってもらって長距離バスで亡き娘が産んだ孫に会いに行くのだが、再婚した娘婿が会わせてくれないので、せっかく用意したプレゼントの金のアクセサリーを帰りのバスの中でおばさんにもらってくれと頼むと、おばあさんに何かあった時に換金して足しにするために預かっておくとおばさんが答えるシーンなど印象的なところがいくつもあった。悪くない。

『夜と霧』は、無職でDV野郎のサイモン・ヤムに耐えかねて、若妻が双子の幼い娘を連れて施設に逃げ出すのだが、結局、夫の身勝手のせいで一家心中になるという救いのない話。妻の働く料理屋にいつもただ食いしに来るくせに、彼女の黒いブラが白いブラウスに透けて見えるのを客に色気を振りまいているんだろうとキレたり、娘たちの給食費を払うよう担任教師から言われると、妻が後で払いにくると誤摩化したり(一文無しなので)、別れた妻との間にできた女衒の息子に小遣いをせびりにいったりとホントどうしょうもない男をサイモン・ヤムが実に見事に演じている。最初は犠牲者であるかに思われたしとやかな若妻も回想シーンで、実は地方出身の元キャバクラ嬢か何かで、裕福な土建屋だった彼に貧乏な一家揃って寄生し、しかも彼女の妊娠中にその妹も彼とデキてしまうというドロドロの人間関係が描かれるのだった。ラストシーンは心中事件の後、若妻の両親が、田舎の家の前から都会に出稼ぎに出かける少女時代の彼女の後ろ姿を回想して、いい話風に終わらせようとするのだが、いや全然救われてないって。
『静かな光』は、翌日のインタビューのために、Tさんに他の作品と一緒にDVDを用意してもらったのだが、やはり題名に「光」と付いているくらいだから、こればっかりはスクリーンで見ないと駄目でしょう、と思い、あまり時間の余裕はなかったのだが見ることに。
帰りにますだくんから『ハポン』のDVDをもらうために五反田まで(事務局が用意した素材には英語字幕すら付いてなかったので)。御礼に松屋でカレーをおごる。帰宅後、さっそく見て明日に備える。しかし頼むから、あんなセックスシーン撮らないで欲しい。トラウマになりそう。