東京国際映画祭2009 その7

a)「アン・ホイTV作品集1」(アン・ホイ)○
b)『アレキサンドリア―ニューヨーク』(ユセフ・シャヒーン)○
「アン・ホイTV作品集1」は、TVB(電視廣播有限公司)制作の「竜虎豹」シリーズの「第6集」と「北斗星」シリーズの「アー・ツェ」。前者は全く内容を覚えていない(実は映画を見てからこの記事を書くまでに一ヶ月半経っているので・笑)。後者は親戚を頼ってマカオに来た大陸のおぼこ娘(十代前半)が、金もないので身体を売り、やっとこさその金で香港に不法入国できたと思ったら、悪い男の情婦になって風俗で働かされ、真面目そうな馴染み客とカタギになるため駆け落ちしたはいいが、結局、生計の当てもないのでまた風俗に舞い戻るという話。都会って怖いですねー。
上映後、レイガダスのインタビューをしに映画祭事務局の本部がある上映会場前の森ビルの最上階へ(なかなかバブリー)。かなり手強い相手だったが、われながら善戦したと思う。最後には上機嫌で彼は帰っていった模様。Tさんに感謝。
次のシャヒーンを見るため、私は終わってすぐシネマート六本木へダッシュ。
『アレキサンドリア―ニューヨーク』は、シャヒーンのアメリカ留学時代の話。前作から14年経っているので、魅力的だった前作のヒロインも中年女になってしまったが、でもまだ艶は失われていない。演劇学校の卒業式で不意に「ゴッド・ブレス・アメリカ」が斉唱され、アメリカが舞台なのだからそのこと自体は別に不思議なことではないのだが、とはいえ「合衆国第二の国歌」などと言われもするこの歌をエジプト映画の中に紛れ込ませてしまうシャヒーンの大胆さとアメリカに対するアンビヴァレントな愛に胸が熱くなり、思わず涙。