読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

極北のインディペンデント映画がやって来る

hj3s-kzu2009-11-14

おしらせ欄にある通り、11/14~11/20に大阪シネ・ヌーヴォXにて、拙作『吉野葛』が『シネマトグラフ オブ エンパイア』(木村卓司)とカップリングでレイトショー公開されます(11/19は休映)。今年5月に行われた神戸映画資料館の上映は残念ながらDVDでの上映でしたが、今回はキチンとオリジナルのDVでの上映で行います。

吉野葛』は2003年、つまり小泉(とブッシュJr)の時代に製作されました。したがって、この作品にはその時の私の気分、いわば「時代閉塞の現状」が色濃く反映されています。こうして公開にこぎ着けるまでに6年もかかってしまい、その間に安倍、福田、麻生といった最悪のトリオを経て、ようやく鳩山(とオバマ)へと政権交代し、当時、私が感じていた危機も一旦は通り過ぎたかに思われます。しかし日本の政体が真に変革されない限り、亡霊たちが回帰する可能性は常に存在しており、1931年という時代の刻印を受けた谷崎の『吉野葛』同様、私の作品も未だその意義を失っていないと信じています。

以下に、敬愛する方々からのコメントをご紹介させていただきます。

完璧な作品だとはいうまい。ただ、ここには作者を嫉妬せずにはいられないショットが複数まぎれこんでいる。それが偶然ではないことを立証する葛生賢は、ゆるやかだが着実に映画作家への道をたどりつつある。

蓮實重彦(映画評論家)

葛生賢の『吉野葛』は、不十分な条件の下で制作された習作でありながら、ストローブ=ユイレの完全主義にも通ずる傑作となりうる潜在性を内包している。いや、まわりくどい言い方はやめよう。われわれは、この作品を通じて、先取りされた傑作と遭遇しなければならないのだ。

浅田彰(批評家)

室内と女の声を捨て去って突然に外気を発見する瞬間のエロスこそが『吉野葛』の魅力である。だから作者がマルクスを読み終えるとき観客は真の出発点に立ち会うのだ。

赤坂大輔(映画評論家)

吉野葛』はデュラスやユイレの撮らなかった映画だ。キートンの映画のように優雅で、イメージと言葉に安易に耽溺しない点において優れて詩的であり、ミエヴィルの映画のように優しげで道化ている。

堀禎一(映画監督)

Rigid and beautiful. A strong disciple of JMS.(厳格で美しい。ストローブの強力な弟子。)

ハルトムート・ビトムスキー(映画監督)

なお切通理作さんと宮川ひろみさんの「切宮〜キリミヤ・シネマラジオ」で、5月の神戸での上映に際して、私がおこなった作品紹介が以下で聞けます(5/25放送分)。
http://www.voiceblog.jp/miyagawa/
また大阪のミニシアターで配布中のチラシはこちら
http://miya.himegimi.jp/kuzuuhtm.htm
(デザインはミヤガワヒロミさん)

極北のインディペンデント映画がやって来る
http://www.cinenouveau.com/x_cinemalib2009/hokkyoku.html

皆さま、ぜひご来場下さい。11/18には詩人の安川奈緒さん、11/20には映画研究者の堀潤之さんをお招きしてトークショーを行います。