告知です 桃まつり presents うそ

今日は桃の節句ですが、今年も「桃まつり」の季節がやってきました。今回のテーマは「うそ」ということなので、これから私が述べることの中にも「うそ」が含まれているかもしれませんが、そこは各自、劇場に足を運んで、ご自分の目で確かめてみて下さいね。
さて、「うそ」の映画作家といえば、エリック・ロメールに決まっているわけですが(合掌)、批評家時代に彼は、「トーキー映画のために」(『美の味わい』所収)という論考を書き、そこで「映画では人はさほど”うそ”をつかない」と不満を述べていました(id:hj3s-kzu:20051021も参照のこと)。要するに「映画作家よ、もっと”うそ”をつけ」と言うことだと思います。果たしてロメールのこの文章を「桃まつり」に参加した女性監督たちのどれだけの人が読んだことがあるのか大いに疑問なのですが、「うそ」というのは、映画にとってのクリティカル・ポイントなわけです。なのでこんな地雷を地雷とも知らずに堂々とオムニバスのテーマに掲げてしまう彼女たちの勇気というか大胆さというか無謀さというかには敬意を表したいと思います。あるいは単なる天然だったり無知だったりするのかもしれませんが、それはさておき、「うそ」が地雷たる所以は、それの扱い如何によって、その人の映画作家としての力量が一発で暴露されてしまうからなんですね、誠に遺憾ながら(例えていうなら、すっぴんで渋谷を歩くようなもの。いやー、ホント度胸あるなー)。というわけで、見事に大成功した人には惜しみない拍手を送るのもよし、大失敗した人を指差して笑うもよし(あ、ホントにやると傷つくと思うので、絶対にやらないように。あくまで物の喩えです・笑)。そんな楽しみ方が今年の「桃まつり」にはあるわけです(いやー、何だか、こう書いてて、だんだんワクワクしてきたわー・爆)。なので、そんな楽しみを皆さまから奪ってしまうのも申し訳ないので、例年のようにどれがオススメだのといった野暮なことは申しません。あくまでもご自分の目で確かめてみて下さい。というのも先ほども述べたように、今年のテーマは「うそ」という映画における限界点なわけですから、そこで試されているのは映画作家としての彼女たちの力量であるとともに、観客としての私たち自身の力量でもあるのです。どうかエリック・ロメール追悼としての「桃まつり presents うそ」をお見逃しなく!

桃まつり公式サイト http://www.momomatsuri.com/
桃まつりブログ http://d.hatena.ne.jp/momomatsuri/

美の味わい

美の味わい

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a)『赤西蠣太』(伊丹万作)◎
昔、見た時は話がよく分からなかったのだが(特に終盤の展開)、三年ほど前に歌舞伎座で元ネタの「先代萩」を見たおかげで、ようやくこの映画を楽しめた。天井裏でネズミがちょろちょろしているという台詞が何度も出てくるが、これは元ネタで敵役の仁木弾正が妖術使いでネズミに化けているという設定からきているのだが、当時の観客なら知っていたはずのこうした前提が今の私たちにはないので、その辺がこの作品を一度見ただけでは分かりにくくしていると思う。