ブリュノ・デュモン特別講義@B学校。対談相手をつとめる。どうもそりが合わず、話は終始、平行線を辿る(フランスのインテリは苦手)。打ち上げの席で、私が大学で西洋哲学専攻だったことを知ると、彼は「どうして神道を研究しないのか」とオリエンタリズム丸だしの質問をするので「神道の根本には天皇制の問題があり、私は天皇制に批判的な立場の人間だから」と答えると「だったらそういう映画を撮ればいいじゃないか」と言うので「すでに撮ってます(『吉野葛』のこと)」と切り返す。続けて彼が「でもクロサワだって日本の伝統に深く根ざした映画を撮っているぜ」とまたアホな質問をするので「クロサワほどアメリカ映画に影響された映画作家はいません」とさらに切り返し、ギャフンと言わせる。この調子で対談もやればよかったと後で後悔。つい「ゲスト=お客さん」だと思って気を使ったのが裏目に出た。