よいお年を!

大晦日なので一年を振り返る。映画批評家としては、今年は清水宏論とルビッチ論を書いた他は何もしていない気がする(笑)。前者は「中央評論」で既に発表されているが、後者が掲載される予定の「シネ砦」はいつ刊行されるのだろうか……。気長に待ちたい。ラジオ関西のシネマキネマさんにはとてもお世話になって、何と都合三回もラジオ出演してしまった(タチ、ムレ、ウルマーについて)。首都圏ではないタイプのとても映画愛に満ちたマニアックな番組なので、関西以外の映画好きも聴くことを強く勧める(radikoのプレミアム会員登録すれば聴ける)。私事では夏に父が亡くなった。子供の頃によく歌舞伎町に映画を見に連れて行ってもらった。父は写真を撮るのが趣味で、中学生の頃にお古の一眼レフをもらって撮影の手ほどきを受けたものだった。今こうして私が映画について書いているのもたぶんそのおかげだろう。決して映画狂ではなかったが、よく東京12チャンネルの昼の洋画を見ていた姿が思い出される。ちょっとしんみりしてしまったが、皆さんよいお年を。