あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。
それでは早速2015年のベストテンを。新作、旧作ともにスクリーンで見たものに限定。
その前に特別賞を。
『アンジェリカの微笑み』(マノエル・ド・オリヴェイラ)
オリヴェイラの新作がもう見られないと思うと本当に悲しい。彼の80年以上にわたる映画人生のうち、日本の私たちが同時代的に彼の作品に親しむことができたのは、たかだか最後の25年ほどに過ぎないが、その間、常にそれらは驚異であり続けた。彼の遺した作品のうち、まだ日本で公開されていないものは山ほどあるので、その公開に期待したい。
さて新作映画ベスト。先達に敬意を表し、生年順。
『ジャクソン・ハイツ』(フレデリック・ワイズマン)
『アメリカン・スナイパー』(クリント・イーストウッド)
『私の血に流れる血』(マルコ・ベロッキオ)
『ラブバトル』(ジャック・ドワイヨン)
『マッドマックス 怒りのデス・ロード』(ジョージ・ミラー)
『黒衣の刺客』(侯孝賢)
『ホース・マネー』(ペドロ・コスタ)
『今は正しくあの時は間違い』(ホン・サンス)
『アラビアン・ナイト』(ミゲル・ゴメス)
『ティップ・トップ』(セルジュ・ボゾン)
さらにベスト短編。
『水槽と国民』(ジャン=マリー・ストローブ)
次に旧作映画ベスト。製作年度順。
『青春双曲線』(韓瀅模、1956)
『港まつりに来た男』(マキノ雅弘、1961)
『ヨーヨー』(ピエール・エテックス、1965)
『阿片台地 地獄部隊突撃せよ』(加藤泰、1966)
『やさしい女』(ロベール・ブレッソン、1969)
『ベートーヴェン通りの死んだ鳩〈ディレクターズカット版〉』(サミュエル・フラー、1972)
『チリの闘い ― 武器なき民の闘争』(パトリシオ・グスマン、1975-78)
『水晶の揺籠』(フィリップ・ガレル、1976)
『訪問、あるいは記憶、そして告白』(マノエル・ド・オリヴェイラ、1982)
『美しい都市』(アスガー・ファルハディ、2004)
なおNFCの「未知のウェルズ」には今年最大の映画的刺激を受けた。私たちはまだオーソン・ウェルズについて何も知らない。
コントレ賞こと新人監督賞は『The Summer of Sangaile』のアランテ・カヴァイテ(Alanté Kavaïté)に決定!