Happy New Year !

 

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あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。

 

早速2019年のベストテンを。去年のようにネット配信で見たものも含めることにしようかと初めは思ったが、劇場で見たものだけでも結構な候補作が挙がってきたので、今年は再びスクリーンで見たものに限定。

なおFilmStruck終了の後を受けて開始されたCriterion Channelだが、見たいものは大体DVDで既に持っているものが多く、今のところあまりメリットを感じていない(笑)。もっともHD画質である点と本棚から探し出す手間が省ける点はよい。ここで年末に見たアイダ・ルピノ監督作品特集は素晴らしかった。

 

今年も多くの映画人がこの世を去ったが、中でも今まで日本できちんと紹介されなかったジャン=ピエール・モッキーの追悼特集が組まれることを強く望む。ちなみに十数年前とある打上げの席で真正面にジャン・ドゥーシェがいて、筒井さんに弟子入りしろとけしかけられたことがある(笑)。

 

 さて新作映画ベスト。先達に敬意を表し、生年順。

 

『運び屋』(クリント・イーストウッド

『多十郎殉愛記』(中島貞夫

『ダンボ』(ティム・バートン

『ヴィタリナ』(ペドロ・コスタ

『未来を乗り換えた男』(クリスティアン・ペッツォルト

『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』(クエンティン・タランティーノ

『アド・アストラ』(ジェームズ・グレイ

『誰もがそれを知っている』(アスガー・ファルハディ)

『7月の物語』(ギヨーム・ブラック)

『さらば愛しきアウトロー』(デヴィッド・ロウリー)

次点『嵐電』(鈴木卓爾)、『8月のエバ』(ホナス・トルエバ)、『熱帯雨』(アンソニー・チェン)

 

 

 次に旧作映画ベスト。製作年度順。

 

『ウィリーが凱旋するとき』(ジョン・フォード、1950)

『ショウマン』(アルバート&デヴィッド・メイズルス、1963)

『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ザ・ウェスト』(セルジオ・レオーネ、1968)

『ラストムービー』(デニス・ホッパー、1971)

ザ・クレイジーズ/細菌兵器の恐怖』(ジョージ・A・ロメロ、1972)

『ありふれた出来事』(ソフラブ・シャヒド・サレス、1973)

『大輪廻』(キン・フー/リー・シン/パイ・ジンルイ、1983)

『救いの接吻』(フィリップ・ガレル、1989)

『フラワーズ・オブ・シャンハイ』(ホウ・シャオシェン、1998)

『こおろぎ』(青山真治、2006)

 

ベスト短編は『マーロン・ブランドに会う』(アルバート&デヴィッド・メイズルス、1966)

 

コントレ賞こと新人監督賞は、『Vif-argent』のステファン・バチュ(Stéphane Batut)。

 

なおネット配信で見たものでは、新作は『I Do Not Care If We Go Down in History as Barbarians』(ラドゥ・ジュード)、旧作は『Anima nera』(ロベルト・ロッセリーニ)、『The Burglar』(ポール・ウェンドコス)、『Our Betters』(ジョージ・キューカー)、『The Trouble with Angels(青春がいっぱい)』(アイダ・ルピノ)、『Gambling Lady』(アーチー・メイヨ)が素晴らしかった。

よいお年を!

晦日なので一年を振り返る。と言っても特筆すべきことは何もなく、変化といえば、去年よりは仕事が楽になり時間の余裕ができたので、映画を見る本数が増えたことくらいか。子供もすくすく成長し、こちらもほぼ毎日、iPhoneで親バカ動画ばかり撮っている(流石にネットにアップしたりはしないが・笑)。ただ暇さえあればキッズ向けのYouTubeばかり見ているので、彼の将来がやや心配。映画関係でいつもの仕事の他にやったことと言えば、若い頃に影響を受けた作品群をプロデュースされた方の初監督作の英語字幕監修をやったこと(というか只今まさに手直し中)と恩師のライフワークのごく細部のお手伝いができたことくらいか。来月はついに五十の大台に乗ってしまうので、十年以内には何か形になることができたらいいな。

現代映画論

概要は例年通りです。

http://hj3s-kzu.hatenablog.com/entry/20120926

教室は2E-101です。

授業スケジュールを若干変えたので以下に挙げておきます。
1. ガイダンス/アンドレ・バザンと作家政策
2. ヌーヴェル・ヴァーグ
3. ネオレアリズモ以後のイタリア映画
4. ソ連・東欧映画の新潮流
5. 政治的モダニズム第三世界の映画
6. ダイレクト・シネマ/シネマ・ヴェリテ
7. ニュー・ジャーマン・シネマ
8. ポスト・ヌーヴェル・ヴァーグ
9. アメリカン・インディーズとニュー・ハリウッド
10. 台湾ニューウェイヴと中国第五世代
11. イラン・ニューシネマ
12. ソ連崩壊後のロシア映画
13. ポルトガル映画の新潮流
14. スペイン映画の新潮流

Happy New Year !

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あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。
それでは早速2018年のベストテンを。例年だと新作、旧作ともにスクリーンで見たものに限定していたのだが、今年からルールを変更してネット配信で見たものも含めることに。理由はオーソン・ウェルズの「新作」が今のところNetflixでの配信のみであることと、近年の海外の配信サイトの充実ぶり(MUBIだけでなく、残念ながら終了してしまったFilmStruckなど)には目を見張るものがあり、高い入場料を払って「名画座」で「デジタル上映」の旧作で見るくらいなら、これらの配信サイトの作品を自宅のスクリーンで見た方が質量ともに遥かに満足のゆく鑑賞体験が得られるので。選ぶ前は特に旧作ベストをネット配信で見たものが大半を占めることが予想されたが、スクリーンで見たものから先に選んでいった結果、意外にもそれだけで十分な数の作品がリストアップできたので、今回は入っていない。ただこうした趨勢はもはや押しとどめることはできないだろう。なおFilmStruck終了の後を受けて、今春に開始されるというCriterion Channelに個人的には期待している。
今年も何人もの映画人がこの世を去ったが、1960年代以降のイタリア映画の刷新を担ったエルマンノ・オルミベルナルド・ベルトルッチの二人の死には衝撃を受けた。

 さて新作映画ベスト。先達に敬意を表し、生年順。
風の向こうへ』(オーソン・ウェルズ
15時17分、パリ行き』(クリント・イーストウッド
『イメージの本』(ジャン=リュック・ゴダール
『良き隣人の変節』(ペーター・ネストラー
レディ・プレイヤー1』(スティーヴン・スピルバーグ
つかのまの愛人』(フィリップ・ガレル
『川沿いのホテル』(ホン・サンス
『ロスト・シティZ/失われた黄金都市』(ジェームズ・ グレイ)
犬ヶ島』(ウェス・アンダーソン
『ア・ゴースト・ストーリー』(デヴィッド・ロウリー)
(次点)
ゾンからのメッセージ』(鈴木卓爾
蝶の眠り』(チョン・ジェウン


 さらにベスト短編。
『湖の人びと』(ジャン=マリー・ストローブ
『いかにしてフェルナンドはポルトガルを救ったか』(ウジェーヌ・グリーン

 次に旧作映画ベスト。製作年度順。
忠臣蔵』(牧野省三、1910-1917)
『囁きの合唱』(セシル・B・デミル、1918)
『母というだけ』(アルフ・シェーベルイ、1949)
『牢獄』(イングマール・ベルイマン、1949)
『ビッグ・リーガー』(ロバート・アルドリッチ、1953)
『怪盗ルパン』(ジャック・ベッケル、1957)
ギリシャについて』(ペーター・ネストラー 、1966)
『現像液』(フィリップ・ガレル、1968)
『紅い太陽』(ルドルフ・トーメ、1970)
『期待』(アミール・ナデリ、1974)


コントレ賞こと新人監督賞は、今回は該当者なしも考えたが、年末に見た『アリー/スター誕生』が意外にも悪くなかったので、ブラッドリー・クーパーとする。

(追記)アラン・ロブ=グリエの特集上映は、数年前に英盤DVDボックスが出た時に全て見たので、行かなかった。

よいお年を!

晦日なので一年を振り返る。今年は前半に突如、一時的な失語状態(意識ははっきりしているのに声が出ない)に陥り、数年前の交通事故のこともあり、検査のため緊急入院したが、結局、どこも異常はなく、原因不明のまま、翌日退院させられた(笑)というのが一番大きな出来事。おそらく過労のためと思われ、そのため日の出とともに寝るというそれまでの夜型生活を改め、朝型生活を数週間続けたが、結局、元の生活に戻った。映画批評家としては、渋谷で岡田さんと堀くんを偲び、広島でガレルの初期作について語るというトークの仕事を二本こなした。子育てと仕事で劇場に映画を見に行く時間は確実に削られたが、その分、ネット配信の恩恵を受けた。特にFilmStruckにはかなりお世話になったので、終了してしまったことが返す返すも残念だ。来年はもう少し読書や執筆のための時間を確保したい。

現代映画論

概要は例年通りです。

http://hj3s-kzu.hatenablog.com/entry/20120926

教室は2E-101です。

授業スケジュールを若干変えたので以下に挙げておきます。
1. ガイダンス/アンドレ・バザンと作家政策
2. ヌーヴェル・ヴァーグ
3. ネオレアリズモ以後のイタリア映画
4. ソ連・東欧映画の新潮流
5. 政治的モダニズム第三世界の映画
6. ダイレクト・シネマ/シネマ・ヴェリテ
7. ニュー・ジャーマン・シネマ
8. ポスト・ヌーヴェル・ヴァーグ
9. アメリカン・インディーズとニュー・ハリウッド
10. 台湾ニューウェイヴと中国第五世代
11. イラン・ニューシネマ
12. ソ連崩壊後のロシア映画
13. ポルトガル映画の新潮流
14. スペイン映画の新潮流