2004-02-01から1ヶ月間の記事一覧

NOVO/あじまあのウタ/潜行者

a)『NOVO』(ジャン=ピエール・リモザン) b)『あじまぁのウタ』(青山真治) c)『潜行者』(デルマー・デイヴィス)a) 最先端のオフィスと古代人骨、女の裸体にあてられる氷と男の裸体に吹きかけられる湯気、テクノとビリー・ホリディなどなど。こうした両…

サイコあるいは爆笑の土曜日

a)『サイコ』(ガス・ヴァン・サント)a) 本日はnobody主催のイベントで、蓮實重彦×中原昌也という組み合せでのトークショー。しかしよくこんな企画思いつくな。 この企画が決まった時から中原氏はどう対処したらよいのか分からず、とりあえず資料をかき集め…

音楽喜劇 ほろよひ人生/はたらく一家/この世の外へ クラブ進駐軍

a)『音楽喜劇 ほろよひ人生』(木村莊十二) b)『はたらく一家』(成瀬巳喜男) c)『この世の外へ クラブ進駐軍』(阪本順治) a) 1933年製作、ということはつまりまさしく「戦時下の映画」である。実際、この年には、日本は「満州国」不承認のために国際連…

祝ペドロ・コスタ再来日

何とペドロ・コスタが映画美学校で三日間に渡って集中講義をするそうだ。詳しくはこちら

ドッグヴィル

a)『ドッグヴィル』(ラース・フォン・トリアー) a) もの凄いものを観てしまった。映画の中で劫火を見たそのすぐ後に、映画館を出てみると、外は嵐が吹きすさんでいたのだからなおさらである。おかげでお気に入りのブルーのビニール傘が突風にあおられて見…

アパッチ

a)『アパッチ』(ロバート・アルドリッチ)a) 今日から断続的に「インデイアンまつり」を始める。ことのきっかけは青山真治氏からの批判で、テーマとしては「50年代以降のハリウッドにおいて、インディアンの主観はいかに表象されたか(あるいはされなかった…

プレイタイム

a)『プレイタイム』(ジャック・タチ)a) この映画が面白くない人は不幸だ。そしてこの映画は絶対に映画館で観られるべき作品である。もちろん本質的にはあらゆる映画がテレビモニターではなくスクリーンで観られるべきなのだが、この作品に関しては特にそう…

ロラン・バルト−アーティストとして

本日は東京日仏学院に「ロラン・バルト−アーティストとして」と題されたシンポジウムを聞きに行く。出席者は浅田彰、小林康夫、高橋睦雄。まず、駆けつけた聴衆の数に驚く。ルノワールやストローブやリヴェットの上映よりも人が多い。結局、立ち見まで出て、…

90年代アメリカ映画ベスト11

書類ファイルをいじっていたら、以前、映画美学校の事務局が戯れに現代アメリカ映画ベスト計画というのをやっていて、参加を求められたので書いた文章が出てきた。この計画、現在中断しているみたいで、せっかく書いたのにもったいないので、ここに掲載して…

蓮實重彦 映画への不実なる誘い 最終回

本日はせんだいメディアテークの「蓮實重彦 映画への不実なる誘い」の最終回をインターネット中継で見る。サイトに「日本の映画作家をゲストに迎え、現代の日本映画に新たな命名を試みます。」と予告されていたので、誰が来るのだろうと予想していたが、やっ…

豚丼について私が知っている二、三の事柄

今日はなか卯で豚どんぶりを食べた。これで今回のBSE騒動で登場した豚肉の丼ものは一通り食べたことになる。で本日時点での調査結果を報告する。 やはりベストはすき屋の豚丼で、味、値段共に最高。最も良心的な価格設定だし(280円!)、豚肉の良さをちゃん…

ハードエイト/マグダレンの祈り/ワイルド・アパッチ

a)『ハードエイト』(ポール・トーマス・アンダーソン) b)『マグダレンの祈り』(ピーター・ミュラン) c)『ワイルド・アパッチ』(ロバート・アルドリッチ)a)『ブギーナイツ』の前に撮ったP.T.Aのデビュー作。個人的には彼の作品の中では一番好きかも。こ…

ココロ、オドル

a)『ココロ、オドル』(黒沢清)a)黒沢清の最新作。ただし劇場公開作ではなく、雑誌「Invitation」の付録である。昨年、ベルナール・エイゼンシッツが編集長をつとめる「cinema」(本当はeの上にアクサン記号がつく)の第五号に溝口健二の『東京行進曲』、しか…

忠次旅日記

a)『忠次旅日記』(伊藤大輔)a) 10年ほど前に「発見」されたこの映画によって、私たちの伊藤大輔、ひいては日本映画史に対する眼差しは変容をとげ、今もなお震撼されつづけている(一昨年、やはり「発見」された『斬人斬馬剣』も衝撃的な作品であった)。し…

われらが親父、ジャン・ルノワール

a)『われらが親父、ジャン・ルノワール』(ジャック・リヴェット)a) ジャン・ルノワールとミシェル・シモンの二人が大声で笑いながら楽しそうに思い出を語り合っているのを見ているだけで幸せな気分になる。まるで大きな熊か犬がじゃれあっているかのようだ…

あなたの隠された微笑はどこにあるの?/放蕩息子の帰還

a)『あなたの隠された微笑はどこにあるの?』(ペドロ・コスタ) b)『放蕩息子の帰還』(ストローブ=ユイレ)a) この作品については2/1の日記を参照のこと。特に付け加えることはない。ただここで声を大にしていいたいのだが、私たちはこの素晴らしいフィル…

窄き路

a)『窄き路』(ランバート・ヒルヤー)a) ウィリアム・S・ハート主演のサイレントの西部劇。食事をした後、すぐに見たので、三十分を過ぎた辺りから睡魔が襲い、それと闘いながら見たので、全編に関してはコメントできない。しかしだからといってこの作品が…

エンマ・ツンツ

a)『エンマ・ツンツ』(ブノワ・ジャコー)a) ホイヘ・ルイス・ボルヘスの同名短編をテレビ向けに映画化したもの(日本未公開)。もしボルヘスのこの小説をまだお読みでなければ、今すぐ手にとることをお勧めする(『不死の人』所収)。原作は、父の自殺の知…

あなたの隠された微笑はどこにあるの?/放蕩息子の帰還

a)『あなたの隠された微笑はどこにあるの?』(ペドロ・コスタ) b)『放蕩息子の帰還』(ストローブ=ユイレ)a)この映画については、「nobody」11号を参照されたし。そこにペドロ・コスタと協力者のティエリー・ルナスへの充実したインタビューが掲載されて…