2005-01-01から1ヶ月間の記事一覧

a)『オルド』(ロランス・フェレイラ=バルボザ) ジャック・ヴィルレが53歳の若さで亡くなったそうだ。この間見た『トルチュ島に漂流した人たち』(ジャック・ロジエ)でも素晴らしい存在感を見せていた。合掌。 http://www.liberation.fr/page.php?Article…

日本映画批評のある種の傾向

a)『国境の町』(ボリス・バルネット) b)『諜報員』(ボリス・バルネット) アテネにバルネットを見に行ったら、超満員で驚く。まあバルネットだから当然といえば当然なのだが、普段の空席ぶりに馴れている身としては、ちょっとびっくり。アテネで普段やっ…

行ったり来たり

a)『行ったり来たり』(ジョアン・セーザル・モンテイロ) (あらすじ) 男やもめで家族のいないジョアン・ヴヴには一人息子がいる。その息子も二件の殺人事件と銀行強盗のために刑務所に入っている。ジョアン・ヴヴは、モンテ・オリヴェットの頂きの、リス…

動体視力について

『スポーツ批評宣言』が出た去年あたりから、蓮實氏が「動体視力」という言葉を流行らせようとしているが、私ぐらいの歳だと、この言葉を聞くとついつい『ゲームセンターあらし』という漫画を思い出してしまう。小学生の頃、愛読していた「コロコロコミック…

ヒッチコック×ジジェク

十年前に翻訳された『ヒッチコック/ラカン』のヴァージョン違いと思いきや、全く別内容なので、すでに前書をお持ちの方も購入をお勧めします。個人的にはジジェクの映画論とかはどうでもいいのだが、今回の『ヒッチコック×ジジェク』には、ミシェル・シオン…

2月のオススメ

特集上映1/25〜2/5 ロシア・ソビエト映画クラッシクス@アテネフランセ文化センター http://www.athenee.net/culturalcenter/schedule/2005_01/russia01.html ☆すでに始まっていますが、ボリス・バルネット、アブラム・ローム、ミハイル・ロンム、アレクセイ…

a)『トルチュ島に漂流した人たち』(ジャック・ロジエ) b)『高みにのぼる猫』(クリス・マルケル)

ルーヴル美術館への訪問 その2

a)『ルーヴル美術館への訪問』(ストローブ=ユイレ) b)『明日、引っ越す』(シャンタル・アケルマン) a)(以下に読まれるテクストは昨日の日記の続きではなく、それと対になるべく書かれたものであり、あわせ読まれることが望ましい)「この絵をしかるべ…

ルーヴル美術館への訪問 その1

a)『ルーヴル美術館への訪問』(ストローブ=ユイレ) a)この映画のなかで読まれるテクストはジョワシャン・ガスケ『セザンヌ』(興謝野文子訳、求龍堂)の第二部第二章を抜粋・再構成したもの。その台詞の一部を登場する美術作品のリストとともに以下に掲げ…

a)『フルタイム・キラー』(ジョニー・トー)

原理主義と眼差し

先日の蓮實=フロドン対談の詳細なレポを読みたいなあと思い、ネット上のいくつかに当たってみるがもの足りず。そう思っていたところに、M君からブリリアントなレポがメールで送られてきた。しかも黒沢=ドゥニ対談のおまけつき。さすがだ。読んで、フロドン…

「カイエ週間」星取り表

参考までに「カイエ週間」で上映される作品がフランス本国でどういう評価を受けているかを「allocine」の星取り表で調べてみました。★4つが満点。サイトには他にも「レザンロック」「ル・モンド」などの評も載っていますが、日本でも評者たちの名がある程度…

ゴダールを見逃す

a)『侵入者』(クレール・ドゥニ) 昨日の教訓を活かすべく、珍しく早起きして日仏に向う。チケットの発売が10時だからその前に行けば大丈夫だろうと高を括り、15分前に到着するが、すでに時遅く1Fのロビーはびっしりと行列で埋まっていたのだった。恐るべし…

マギー・チャンを讃える

a)『CLEAN』(オリヴィエ・アサイヤス) 朝11時すぎに行くと『DEMONLOVER』のチケットはすでに完売。まあすでに見たからいいけど。*1。『CLEAN』の二回目の上映の整理番号も90番台だった。あぶないあぶない。すでに見た友人たちの前評判がよかっただけに『CL…

蛟龍を描く人

a)『神秘の箱』(J・A・ノーリング) b)『蛟龍を描く人』(ウィリアム・ワーシングトン) b)時代は明治あたり。「竜の絵師」と呼ばれる野生児(早川雪州)は美しい渓谷で生活し、千年前に竜に姿を変えたと信じている姫の面影を求めて、日々、風景画を描いて…

a)『メーベルのわがまま』(ロスコー・アーバックル) b)『火の海(神々の怒り)』(レジナルド・バーカー)

Bucking Broadway!

a)『栄光』(ラオール・ウォルシュ) b)『メーベルの劇的な半生』(マック・セネット) c)『颱風』(レジナルド・バーカー) d)『鄙より都会へ』(ジョン・フォード) d)フランスの映画雑誌「cinema 08」の付録DVD。2000年にパリのCNC(国立映画センター)の…

a)『CH4メタン』(西山洋市)

a)『イルミネーション』(パスカル・ブルトン) ソドム浦井君が某「刑事まつり」のため本日からクランクイン。たまたま会う用事があったので撮影後の飲みに山川君と参加。愉しい飲みだった(何か最近コレばっかだな)。浦井君が初監督(おめでとう!ガンバレ…

フォーエヴァー・モンテイロ

a)『みつかるまで』(常本琢招) b)『My Sweet Planet』(瀬々敬久) c)『赤猫』(大工原正樹) d)『う・み・め』(万田邦敏) アテネフランセ新年会。まず初めに、id:hj3s-kzu:20040101で「『赤猫』は本当に素晴らしい。欲を言えば、尺がやや足りないのが惜…

赤と黒

a)『シヴィリゼーション』(トーマス・H・インス) b)『“男たちと共に”演技するレオ』(アルノー・デプレシャン) b)赤と黒。この映画はこの二つの色彩をめぐる作品である。といってもスタンダールの同名の小説とは何の関係もない。むしろデプレシャンが参照…

a)『機械人形』(マック・セネット/ハーマン・レイメイカー他) b)『チート』(セシル・B・デミル) マック・セネットのレトロスペクティヴ開催を希望!つまりそれだけ素晴らしかったってこと。上映後、土田君、谷川君とよもやま話。

動物について

a)『DOG STAR』(瀬々敬久) b)『犬と歩けば』(篠崎誠) a)本来、「動く物」であったはずの犬は、この作品においてはクローズアップとスローモーションによってその映画的運動感を削がれ、単に物語に奉仕するための擬人化されたオブジェと化している。 b)さ…

Happy New Year !

あけましておめでとうございます。去年はいろいろお世話になりました。今年もよろしくお願いします。さて早速、2004年ベストの選出に取りかかることにする。選出範囲としては去年初めて見た映画に限る。ストローブ=ユイレ、リヴェット、ロジエの旧作が選か…