a)『襤褸と宝石』(グレゴリー・ラ・カーヴァ)◎
b)『3時10分、決断のとき』(ジェームズ・マンゴールド)◎
『襤褸と宝石』はプレストン・スタージェスとか好きな人は必見。キャロル・ロンバードの表情を見ているだけでも楽しめる。ちなみに「襤褸」は「ぼろ」と読む。
マンゴールドの新作は個人的には(イーストウッドの二作を抑えて)今年のベストワンと言い切ってしまいたい誘惑に襲われる(といっても製作は二年前なんだけどね…)。『許されざる者』(イーストウッド)の後に西部劇を撮るとはいかなることなのかということに極めて自覚的な傑作。彼やジェームズ・グレイの新作を同時代的に見られることの喜びを噛みしめたい。*1

*1:なお1995年当時、AFIに留学していた豊島圭介氏からの便りで、気になる新人作家のデビュー作としてリヴ・タイラー主演の『Heavy』という作品を教えてもらい、それが『君に逢いたくて』という邦題でビデオスルーで出たのをすぐさま見て以来のファンなので、「マンゴールドを日本で最初に発見したのは自分だ」と言わんばかりの評論家がいるという噂を耳にして正直「ハァ?」と思った。