選挙に行きそびれる

hj3s-kzu2004-07-11

本日は「ブラジル:ボディ・ノスタルジア」展に行く。「シネ・トランス&トラッシュ ブラジル映画の〈開かれた口〉」と題された赤坂大輔さんの講演を聴くためである。講演会まで時間があったので、ざっと展示を見て回る。実はそれほど期待していなかったのだが、タルシラ・ド・アマラルの『黒人女性』という絵画とミゲル・リオ・ブランコの写真群は素晴らしかった。アドリアナ・ヴァレジョンの作品は、あまりにも分かりやすいその象徴性が好きになれないが、『花模様に舌』の暴力的に傷口をだらりと広げる様にはやや惹き付けられる。他はナイーヴな現代アートという感じであまり驚きはない。ただミラ・シェンデルのインスタレーションはちょっとよかった。講演の方はグラウベル・ローシャを中軸に据え、ブラジルで交差するもう一つの映画史といった感じで、初めて聴く固有名詞が頻出し、あいかわらずの情報量に驚嘆する。日本未公開のレアな映像も沢山見ることができ、『限界』(マリオ・ペイショト)、『狂乱の大地』『大地の時代』(グラウベル・ローシャ)、『サロメ』(カルメロ・ベーネ)、『赤い光の盗賊』(ホジェリオ・スガンゼルラ)、『言葉とユートピア』(マノエル・ド・オリヴェイラ)、『海賊の町』(ラウル・ルイス)、『蘇生』(アルチュール・オマール)といった作品はいつかぜひ完全な形で見てみたいものだ。
ところで投票を済ませてから行くつもりだったのだが、投票用紙を家に置き忘れてきたことに気づいた時にはすでに遅く、id:godardid:gashowらとの待ち合わせ時間に間に合わなそうだったので、今回は見送ることに。天皇制と自衛隊を容認しない無党派層の一人としては、両者を容認する路線に転向した左翼政党にもはや存在意義があるとは思えず、かといってそれ以外の保守政党にも投票する気にもなれないので、どうしようか迷っていたところなので、投票用紙を置き忘れたというのもフロイト的な何かが働いたのかも知れない。
この間、中島貞夫特集で倒れかけて以来、頻繁に頭痛がするのだが、今日も皆とお茶をして別れた後、頭が痛く疲弊して、午後八時ごろ帰宅してから深夜三時ぐらいまで爆睡してしまった。映画・読書・ネットのしすぎだろうか。結局、近所のビデオ屋の半額セールで借りた中島貞夫のビデオは全く見られず返却することに。
「ブラジル:ボディ・ノスタルジア」展
http://www.momat.go.jp/Honkan/BRAZIL/index.html