あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。 早速2023年のベストテンを。今回もあえて時流に逆らい、全て映画館で見たものに限定で。
その前に特別賞を。
オタール・イオセリアーニの全作品。
理由はここに記すまでもないだろう。
まずは新作映画ベスト。先達に敬意を表し、生年順。なおベスト候補が20本近くもあったので、今回は特例として、映画祭でしか上映されていないものは除外した。
「遺灰は語る」(パオロ・タヴィアーニ)
「フェイブルマンズ」(スティーブン・スピルバーグ)
「枯れ葉」(アキ・カウリスマキ)
「小説家の映画」(ホン・サンス)
「ザ・キラー」(デビッド・フィンチャー)
「インディ・ジョーンズと運命のダイヤル」(ジェームズ・マンゴールド)
「ショーイング・アップ」(ケリー・ライカート)
「アルマゲドン・タイム ある日々の肖像」(ジェームズ・グレイ)
「アステロイド・シティ」(ウェス・アンダーソン)
「鯨の骨」(大江崇允)
なお、映画祭で見た新作で良かったものは「メニュー・プレジール レ・トロワグロ」(フレデリック・ワイズマン)、「エドガルド・モルターラ ある少年の数奇な運命」(マルコ・ベロッキオ)、「アンゼルム」(ヴィム・ヴェンダース)、「水の中で」(ホン・サンス)、「白塔の光」(チャン・リュル)、「耳をかたむけて」(リュウ・ジャイン)など。
次に旧作映画ベスト。基本的に初見のものに限ったが、修復版で印象が変わったものに関しては初見扱いにした。製作年度順。
「雄呂血」(二川文太郎、1925)
「アンニー可愛や」(ウィリアム・ボーディン、1925)
「上陸㐧一歩」(島津保次郎、1932)
「青空恋をのせて」(トム・バッキンガム、1932)
「霧笛」(村田実、1934)
「幸運を!」(サッシャ・ギトリ、1935)
「月夜鴉」(井上金太郎、1939)
「女學生記」(村田武雄、1941)
「トルテュ島の遭難者たち」(ジャック・ロジエ、1976)
「ファースト・カウ」(ケリー・ライカート、2020)
ケリー・ライカートは同日に公開された二本とも素晴らしかったので、新作と旧作のベストに入れるという裏技を使った。
ベスト短編は「ブラック・アンド・タン」(ダドリー・マーフィー、1929)と「砲台のあった島 猿島」(野田真吉、1987)
コントレ賞こと新人監督賞は「犯罪者たち」のロドリゴ・モレノ(もっとも長編五本目のようではあるが)。
しかしパレスチナ問題に深い関心を寄せて映画作りをしていたゴダールとストローブが亡くなった途端に、ガザでの虐殺映像が現在進行形でSNSに流れてくる時代になるとは…。即時停戦を。