火宅

a)『火宅』(川本喜八郎
b)『蓮如とその母』(川本喜八郎
a)その強度に圧倒される。逆光を効果的に活かした見事な照明、デクパージュの的確さ、決定的なキャメラ・ポジション、効果的な多重露光、そして何よりも僧侶が幻視する「火宅」の地獄絵図。人形アニメとあなどってはならない。むしろそうであるがゆえにこの尺(19分)にこれだけ壮大な世界を圧縮できたのであろう。音楽は武満徹
b)『火宅』の後に見てしまうとやや分が悪い。長篇のためだろうか、最初はやや弛緩した印象を受ける。黒柳徹子岸田今日子といったゲスト陣そっくりに作られた人形もサービス過剰のような気もする。しかし蓮如その人についてはかなり興味がわいた。かなりラディカルだったんですね。時々、インサートされる実景ショットもよい。