a)『ラブ・ソング』(クリストフ・オノレ)×
早起きしてカイエ週間でボゾンとオノレを二本見て、後者の駄目さ加減を確認するつもりだったのだが、前日、ヤマガタから帰ったその日にシネマヴェーラに行き、その上、終電まで呑んでいたので、さすがに眠くて仕方なく、まあオノレなんて駄目に決まっているのだからボゾンだけ見れればいいや、と二度寝してから、日仏に行って「ボゾン一枚」と言いかけ、受付のタイムテーブルに目を落とした瞬間、両者の上映順を勘違いしていたことに気づく。ガーン。気を取り直し、せっかく来たのだからとオノレを見るが、これが予想通りの駄作で複雑な気分になったのだった。
上映後、ABCの諏訪敦彦×ペドロ・コスタ対談へ。フォード=ストローブとロッセリーニゴダールという二つの極を提示し、自らを前者、諏訪を後者に位置づけるコスタに対し、非職業俳優(ロッセリーニ)/職業俳優(フォード)という観点からそう単純には分けられないとの諏訪の反論があり、議論は平行線を辿ったようだ。コスタは『M/OTHER』を高く評価し、ストローブにも薦めたそうだが、最近の諏訪作品についてはどう思っているのだろうか。