関西訪問記 その8

さて本日は花見を予定していたのだが、あいにくの雨で中止。桝井くんとプラネットのそばの喫茶店でカレーを食べていたら、彼のケータイに連絡が入る。シネ・ヌーヴォで本日行われる七里圭さんの舞台挨拶を見に来ないかとのこと。喜んで!ということで、古本屋に立ち寄ってヨリス・イヴェンスの自伝を買ってから、地下鉄で九条に向かう。ロビーで待っている間、支配人の山崎さんにお茶とお菓子などを御馳走になり、そこらにあった映画のチラシなどを手にあーだこーだ言っているうちに、七里さん登場。桃まつり試写会の打ち上げ以来の再会を喜ぶ。舞台挨拶を二回続けて聞いてから、その後、近所の酒屋の立ち飲みカウンターで、七里さんを囲んで、安川奈緒さん、CO2事務局の西尾孔志さん(『ナショナルアンセム』の監督)、劇団維新派の野口さん、京都造形大の学生三人組らと昼間から酒宴。途中、七里さんが急遽、三回目の上映の挨拶もするということで抜け(リスペクト!)、戻ってくる頃にはかなりいい感じに酔っぱらった。で、これから七里さんが柴田剛さんと新世界のもつ鍋屋で呑む約束をしているというので、移動することに。九条駅に向かう途中に遊郭があるというので、皆で見学に。商店街の一本向こうの道を通るとそこはまさにリアル赤線地帯!ピンクの照明に照らされた飾り窓のおねーさんたちがにこやかに微笑みかける。日本にまだこんなところがあったとは。マジでカルチャーショックを受けた。照明のせいか、皆さん結構美人に見える。で、そこにお世話になることもなく、動物園前へ。ここには大阪最大の遊郭、飛田新地があるというので、それはぜひ見に行かなくては!と、野口さんに案内してもらい、七里さんと三人で社会科見学に行くことに。途中、アーケードを通るが、商店街とは名ばかりの汚さで、もうすでにヤバい感じが充満している。一人で夜歩くには危険そう。でようやく現地に到着。松島新地どころの騒ぎではない。街全部が飾り窓(爆)。ディープかつデンジャラス。大阪凄すぎ。女性もいろんなジャンルで区画分けされているとのこと。で、そこにお世話になることもなく、今度は歩いて近くの西成区を見学。リアル根本敬ワールドがそこには広がっていた。一番ショックだったのは、町のど真ん中にある小学校の周りを呑み屋の屋台がずらーっと並んでいて、小学校の塀のかなり高くまで金網で覆われていたこと(変な人が入ってくるのを防ぐため)。
もの凄いものを見てしまった衝撃を七里さんと反芻しながら、もつ鍋屋に移動。ホントに通天閣のすぐ下のあたりにあった。入ると安川奈緒さんの他に妹の安川有果さん(『幸恵』の監督)もいた。ちなみに妹さんとは去年、桃まつりで大阪に行った時にすでに会っていたのだが(ただ監督さんだとは知らなかった)、数日前に再会した時に実は二人が姉妹だと知って吃驚した。この美人姉妹のツーショットを見る機会は関西の人でも滅多にないらしく、ちょっと得した気分。新作『堀川中立売』のクランクイン一週間前の柴田さんが竜巻のように現れ、竜巻のように去って行く。終電近くになって皆さんぞろぞろ帰って行くので、私も帰ろうかなと席を立ちかけると、七里さんが、えー帰っちゃうの、飲み明かそうよ、というので、そのままずるずると居残ることに。
そこからタクシーで鶴橋まで移動。車内のラジオで北朝鮮のミサイル発射を知る。西尾さんちで呑もうということになり、そこから徒歩で移動。朝まで京都造形大生の面白すぎるウィタ・セクスアリスの話を聞き、爆笑しまくる。途中から七里さんはソファで爆睡。
始発の時間になったので造形大の三人組と駅まで歩き、ヤマガタでの再会を誓って別れる。ホテルに着き、チェックアウトまでに残されたわずかな時間を眠る。