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東京国際映画祭2009 その7

a)『よく知りもしないくせに』(ホン・サンス)◎
b)『バトル・イン・ヘブン』(カルロス・レイガダス)○
ホン・サンスの新作はスレイマンのと並び、今回の映画祭の現代映画部門ベスト(ちなみに古典映画部門ではマーシュイ・ウェイパンとキム・ギヨンが圧勝)。これを見て、やはりホン・サンスの作品の構造は長編とはいうものの、短編ないし中編のユニットの反復とその変奏から成っていることを再確認。かつての彼の作品は露骨なセックスシーンが持ち味だったのだが、『浜辺の女』(ちなみにこの作品では彼は「長編」に挑戦していると思う)以降、それが姿を消し、それに伴いどんどんと洗練の度合いが増して来ていて、この新作などはホントお見事としか言いようがない。その点、前作の『アバンチュールはパリで』は最後ら辺がちょっとモタツく感あり(大好きなのだが)。ロメールが映画を撮るのを止めてしまった今、この種の風俗的な恋愛喜劇を撮らせたら世界一かも。『気まぐれな唇』でこの映画作家のファンになり、過去作を全て韓国版DVDで揃えたものとしては嬉しい限り(ちなみにデビュー作は全く作風が違うので注意)。
『バトル・イン・ヘブン』の最初と最後はやはりボカシ入りでは意味がないと思う(それはインタビューを読めばわかる)。それができなければ「国際映画祭」の看板を掲げる資格なし。ちなみにボカシだけではなく、主人公のふたりが初めてセックスをした後、彼らを捉えた真俯瞰のショットがあるのだが、オリジナルではその後、ヒロインの局部の真俯瞰のアップになるのだが、ここのショットもなぜか彼女の脇腹の刺青をトリミングしたアップにすり替えられていた。来年はこういうことがないように願う。

カルロス・レイガダス監督インタビュー
http://2009.tiff-jp.net/report/daily.php?itemid=1393