緊急告知 ジャック・ロジエのヴァカンス

現在、渋谷ユーロスペースジャック・ロジエの特集上映が行われています。お客さんの入りが気になったので配給元のアウラの池田さん(彼のインタビューが「nobody」最新号に掲載されていますが、めちゃ面白いので必読)に問い合わせてみたところ、まずまずの好成績だがシニア層がメインとのこと。
若者たちよ!それでいいのか!テスト勉強とかしている場合じゃないぞ!
こういう企画はまだセゾン文化が健在だった90年代頃にはよくあったけれど、ここ十年ぐらいはなかったはず。つまりこういう企画がなかなか通りにくい世の中なのです今は(不景気だし)。
だからもしこの企画がコケたら、今後十年以上はこの手の特集は行われないと思う。このことが何を意味するかというと、現在の私たちの行動が未来の他者たちに影響を及ぼすということ。つまり私たちは未来の他者に対して責任を負っているということです。
ただでさえ文化状況が貧困になってきつつある現在なのに、あなたはさらに貧しい未来を望みますか?
この貧しい現在にノンを突きつけるためにも、私たちはロジエ特集に通う必要があるんです。ただし義務ではなく喜ばしい権利として。
こんな奇跡的な企画、ホント今の文化状況じゃありえないから。なので見逃して悔やんでも「あとのまつり」(©瀬田なつき)だよ!
とりあえず個人的に一本選ぶとしたら『オルエットの方へ』を推薦します。この作品にはロジエ作品を理解する鍵が全て詰まっているから。これが気に入ったら全部見て下さい。できれば複数回。

ついつい興奮して無粋な檄文を書いてしまいましたが、ロジエの映画はこんな無粋さからは十億光年の彼方にあるものなのでどうぞご安心を!
とりあえずイントロダクションとしては「nobody」のサイトの結城氏の『オルエット』評を勧めます。
http://www.nobodymag.com/journal/archives/2010/0123_1416.php
ここにも書かれているように、女の子がきゃあきゃあ言っているだけの映画ですが、そのことがどれほど映画を豊かにしているかをぜひご自分の目で確かめて下さい。
瀬田なつきファンとかは絶対気に入ると思うけど(というのも私自身そうなので)、瀬田ファンじゃなくても大丈夫です。

ジャック・ロジエのヴァカンス http://www.rozier.jp/