a)『嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん』(瀬田なつき)×
敬愛する映画作家の商業デビュー作にこの評価を付けるのは断腸の思いなのだが、その敬愛ゆえに心を鬼にする。この空振り具合は長嶋茂雄の伝説のデビュー戦を思わせなくもない。次回作に期待(決してリップサービスではない)。とはいえ早くも自己模倣化の兆しがみえるようでは先が思いやられる。新人作家はもっと冒険すべき。いわゆる「映画的記憶」は撮る時には忘れるべき。