すべての革命はのるかそるかである

hj3s-kzu2004-08-08

a)『ドリーマーズ』(ベルナルド・ベルトルッチ
a) 仏作って魂入れずのフヌケ映画。政治的にも映画的にも反動的というか、それですらない。火炎瓶を投げる描写ひとつとっても腰が座っていない。せめてこのシーンを撮る前にベルトルッチは『パルチザン前史』(土本典昭)か『レボルシオン 革命の物語』(トマス・グティエレス・アレア)を見ておくべきだった。またエヴァ・グリーンの巨大な乳●を見せられて●女だと言われても全く説得力がない*1。もっとミステリアスな感じの女優は他にいなかったのだろうか。ただし初体験の直後、マイケル・ピットが彼女の血を手に取って、彼女の顔に塗りたくってキスをするエグいシーンは気合いが入っていたし、ラスト近くの窓ガラスが割れる音に不覚にもびくっとしてしまったのは我ながらちょっと悔しい。例の「映画クイズ」はもちろん答えられたが、だからといって別にエライとも何とも思わない。ていうか『ブロンド・ヴィーナス』(スタンバーグ)と『暗黒街の顔役』(ホークス)くらい答えろよ、お前ら本当にシネフィルか!(ちなみに私はシネフィルじゃありませんよ、何度も言うけど)最初の方でエヴァ・グリーンが言う「私は1959年にシャンゼリゼで生まれた(以下略)」という台詞は見ているこちらが赤面してしまう位、恥ずかしい。かつての同志マルコ・ベロッキオが『夜よ、こんにちは』のような傑作を作りつづけていることを考えると、ベルトルッチを押さえつけて、ベロッキオの爪の垢でも煎じて無理矢理喉に流し込んでやりたいものだ。フィリップ・ガレルはこんな映画に出た息子を怒鳴りつけるべきではないだろうか(すでにしてたりして)。引用された映画たちの持っている情熱を生きていないのだ、もはやベルトルッチは。今回のには本当に呆れた。仏の顔も三度までである、全く。とこんなことをつらつら考えつつ、がらがらのレイトショーを観終えて駅に着くと、花火見物帰りだろうか、フヌケ顔の浴衣姿のバカものじゃなかった若者たちが群れをなしていて、お前ら花火なんか観て楽しいのか、他にすることないのか、とますます不機嫌になり、花火よりも火花だ、ユスターシュ見ろ、ユスターシュ、などと意味不明なことを思いつつ家路についたのだった。『ペサックの薔薇の乙女』(ユスターシュ)は1968年に撮られた。                                  
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ところで『ソドムの市』(高橋洋)のサイトがいつの間にかオープンしていた。何と素晴らしいデザイン。粗筋のあまりのくだらなさに本気で感動した。公開が待ち遠しい。しかし「地下映画」っていい響きだなあ。
『ソドムの市』サイト http://www.showko.net/~sodome/

*1:もちろん●輪の大きさと処●とは現実的には何の因果関係もありませんよ。