LE TEMPS RETROUVE

a)『野獣の青春』(鈴木清順)★★★★
b)『夜霧のブルース』(野村孝)★★
c)『ドカベン』(鈴木則文)★★★
ドカベン』は公開時に地元の東映で見た。その映画館も今はもうない。怪獣映画ファンだった小学生の私は併映の『恐竜・怪鳥の伝説』を目当てに見に行ったのだが、小学生たちが原作の「ドカベン」一揃いを書店で買って外に出ると、主人公(しかも全然ドカベンに似ていない)が現れるというオープニングだけは子供心に何か異様なものを見たという鮮烈な記憶として残っている。私の記憶ではその後、キャッチャーミットを構えたドカベンに画面外から豪速球が投げられ、それを捕球する鋭い音とともに、ミットのクローズアップとなり、そこにボールではなく、「ドカベン」の原作本がやや斜めに傾いて収まっていて、そこにタイトルが被さるという繋がりになっていたはずなのだが、今回、約30年ぶりに再見してみると、そんな場面はなかった。でもこの記憶違いのヴァージョンもなかなか捨てがたいと思う。ちなみに野球映画だと思って見たら、柔道映画だった。