よいお年を!
大晦日なので一年を振り返る。今年は二月にシネ砦の公開座談会(https://youtu.be/A0UAjSfvVJ4)で話したくらいで、公には何もしていない(笑)。あとはまだ発表されてないけど、ヴェキアリに新田さんとインタビューしたくらい。その他は大好きなイオセリアーニの『そして光ありき』で字幕翻訳家としてデビュー!(笑)といったところ。もちろん大学講師やら映画祭の予備審査委員などの仕事は引き続きやっているけど。去年の大晦日に予告した批評集は最後の原稿を書くのに難儀しており、結局、出せず仕舞い。このため色々な人に迷惑をかけているのでなるべく早く書き上げたい。
Happy New Year !
あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。
それでは早速2015年のベストテンを。新作、旧作ともにスクリーンで見たものに限定。
その前に特別賞を。
『アンジェリカの微笑み』(マノエル・ド・オリヴェイラ)
オリヴェイラの新作がもう見られないと思うと本当に悲しい。彼の80年以上にわたる映画人生のうち、日本の私たちが同時代的に彼の作品に親しむことができたのは、たかだか最後の25年ほどに過ぎないが、その間、常にそれらは驚異であり続けた。彼の遺した作品のうち、まだ日本で公開されていないものは山ほどあるので、その公開に期待したい。
さて新作映画ベスト。先達に敬意を表し、生年順。
『ジャクソン・ハイツ』(フレデリック・ワイズマン)
『アメリカン・スナイパー』(クリント・イーストウッド)
『私の血に流れる血』(マルコ・ベロッキオ)
『ラブバトル』(ジャック・ドワイヨン)
『マッドマックス 怒りのデス・ロード』(ジョージ・ミラー)
『黒衣の刺客』(侯孝賢)
『ホース・マネー』(ペドロ・コスタ)
『今は正しくあの時は間違い』(ホン・サンス)
『アラビアン・ナイト』(ミゲル・ゴメス)
『ティップ・トップ』(セルジュ・ボゾン)
さらにベスト短編。
『水槽と国民』(ジャン=マリー・ストローブ)
次に旧作映画ベスト。製作年度順。
『青春双曲線』(韓瀅模、1956)
『港まつりに来た男』(マキノ雅弘、1961)
『ヨーヨー』(ピエール・エテックス、1965)
『阿片台地 地獄部隊突撃せよ』(加藤泰、1966)
『やさしい女』(ロベール・ブレッソン、1969)
『ベートーヴェン通りの死んだ鳩〈ディレクターズカット版〉』(サミュエル・フラー、1972)
『チリの闘い ― 武器なき民の闘争』(パトリシオ・グスマン、1975-78)
『水晶の揺籠』(フィリップ・ガレル、1976)
『訪問、あるいは記憶、そして告白』(マノエル・ド・オリヴェイラ、1982)
『美しい都市』(アスガー・ファルハディ、2004)
なおNFCの「未知のウェルズ」には今年最大の映画的刺激を受けた。私たちはまだオーソン・ウェルズについて何も知らない。
コントレ賞こと新人監督賞は『The Summer of Sangaile』のアランテ・カヴァイテ(Alanté Kavaïté)に決定!
よいお年を!
大晦日なので一年を振り返る。今年はシネマキネマでゴダールについて語った以外はほとんど何もしていない(笑)。昨年「シネ砦」のために書いたルビッチ論は、こちらの都合で「中央評論」に掲載させてもらった。代わりに前者にはヴィゴ論を書くことを約束していたのだが、今年の後半に交通事故に遭い、結局書くことを断念(ついでに愛車のチャリも大破。今年はこの他に結石にもかかり、おかげで一年に二回も救急車に乗る羽目に。ホントに今年後半はロクなことがなかった)。とはいえようやく「シネ砦」が刊行されたのは実にめでたい。来年は初の批評集を出す予定なので乞うご期待。
(追記)そういえばヤマガタの「二重の影」特集のカタログのために侯孝賢とエドワード・ヤンについて短い文章を書いたのを忘れていた。
現代映画論
概要は昨年と同じです。