映画美学校映画祭2005最終日、じゃなかった撮影日誌その4

早起きして投票所に行くと、長蛇の列。有権者になってから15年ほどになるが、こんな光景は初めて。並んでいる老人たちも同じような感想を述べていた。地元の小選挙区では、自民、民主、共産の三人しか候補者がいない。二大政党制になっても個人的には何のメリットもないので迷わずアノ党へ。おかげで五分ほど遅刻。
今日は昨日リハした2シーンを撮影。第二京浜の中央分離帯で待機中に夕立ちが降り出す。一同、ずぶぬれになりながら、そのまま撮影決行。MくんもいいがYさんが素晴らしかった。
一旦、廃屋に戻り、大雨の止むのを待ちながら、カントクは衣装合わせとリハ。特にすることもなかったので私は読書(つい最近文庫化されたハンナ・アーレント『暗い時代の人々』)。
録音のKくんの予言通り、きっかり二時間後に雨が止む。小雨がぱらぱら降っているが撮影には支障はない。神社に移動。ここでもまたYさんが素晴らしい演技をみせ、スタッフ一同を驚嘆させた。
帰りの車中で早速、選挙結果を携帯でチェック。自民圧勝。ありえない。現政権の支持・不支持の問題を、郵政民営化の支持・不支持の問題にすり替えた小泉一派の詐術に皆うかうかと騙されたということだろうか。このツケが数年後に自分たちに回ってくることも知らずに(だからといって亀井一派を支持するのは論外)。ついでに北野武がヴェネチアで賞を逸したことも知る。
帰宅すると、なみおか映画祭打ち切り反対声明を青山真治氏が出していた。こうした真に政治的な行動を取れる唯一の日本の映画作家という点においては彼をリスペクトするし、この声明が、政治が詐術に大敗北を喫したこの日に出された意義は大きい。


なみおか映画祭打ち切り反対声明 http://boid.pobox.ne.jp/contents/report/namioka.htm

暗い時代の人々 (ちくま学芸文庫)

暗い時代の人々 (ちくま学芸文庫)