桃まつり、西へ その2

せっかくホテルの朝食券があるのだから、早起きしてそれにありつこうと考えていたのだが眠気には勝てず。二度寝してしまい、気がついたらチェックアウトの時間まであと三十分しかないのだった。延長料金を払いたくないので、ダッシュでシャワーを浴び、身支度を整え、ロビーへ。チェックアウトを済ませて待っていても誰も降りてこない。Oさんに電話すると延長したと言う。優雅だねえ。とりあえず各自単独行動で12時半までに劇場に集まればよいとのことなので、空っ腹を抱えつつ、重い荷物を持って、大通りに向かって歩くとすき屋を発見。旅行をしてもグルメには興味がなく、普段と行動パターンが変わらないのはシネフィルの哀しい性か。腹ごしらえして、炎天下の中、梅田周辺をブラブラする。東京で見たら悪趣味極まりないはずの女性たちのファッションも、ここで見ると全く違和感がない(というのも、それがデフォルトなので)。さすがに旅行鞄を持ちながら一時間以上も歩いていると死にそうになってきたので、「太陽の塔」へ。集合時間まで、まだ一時間もあるので読書を始めるが、疲れで眠くなってくる。文庫本を閉じ、昨日藤原さんに頂いた「路字*1を隅から隅まで目を通す。A3ペラ一枚を四つに畳んだだけのメディアなのだが、細かい活字でびっしり情報が詰め込んであり、かなり読み応えがある。この形式で映画批評誌を作れないものかしらと思った。そうこうしているうちに時間が近づき、皆がわらわら集まってくる。で、初回の桃娘たちの舞台挨拶を見学。終了後、三階のフロアに上がり、富岡さんを交えて「桃まつり」の今後の展開についてゆるく作戦会議。
さてそれが終わると一階の劇場入口で記念撮影して現地解散。B班はそのまま帰京(?)。それ以外の面子は撮影所見学に京都へ向かう。暑くて昼ビールが飲みたかったので、藤原さんと車内で飲みながら熱いトークをしていたら、網棚に旅行鞄を置き忘れてしまい青くなる(幸い貴重品は入ってなかった)。ところが桝井くんがまるで優秀な助監督か制作進行のようにテキパキと動いてくれて、携帯だけであっという間に忘れ物の場所を突き止めてくれた(その間、十分位)。ほっと一安心したので、見学に合流。新作の撮影初日が終わってお疲れであるにも関わらず、磯見さんは撮影所内を精力的に案内して下さった。想像していたよりも意外に敷地が狭かったのには吃驚。いろいろ使い回ししているようだ。なおOさんがカッコいいサングラスをかけて撮影所内を闊歩する姿はまるで大女優のようであった。一回りした後、桃娘たちと一旦別れ、藤原さんにお付き合いいただいて河原町まで忘れ物を回収に行く。桝井くん、藤原さんありがとうございました。
さて電話をかけると、桃娘たちは撮影所を出て、宿に荷物を置き、かつての花街である先斗町(ぽんとちょう)*2の料亭に向かうとのこと。それまでの間、藤原さんの案内で四条河原町高瀬川周辺の風情のある通りを散策。一行が到着したので合流すべく先斗町へ。「先斗町で呑める日が来るなんて!」と藤原さんはとても感激していたのだが、そもそも先斗町がどういう所なのか知らないのでいまいちピンと来ず(猫に小判ですみません)。が、そんな無知な私でも鴨川を見下ろす涼台で懐石料理をつつきながら呑むお酒には感激。日が暮れると夜景がとても美しい。いい経験させてもらいました。先斗町最高!(御馳走さまでした!)その後、鴨川沿いを散歩したり、ジャズバーに行ったりしてから、宿へ。充実した一日だった。

*1:http://www.big.or.jp/~solar/rojipost.html

*2:何故、こういう風に読むのか謎だったので、帰ってから辞書で調べたら、ポルトガル語で「先端」「剣先」を意味する「ponto」から名前が取られたそうな。