a)『007/慰めの報酬』(マーク・フォースター)△
ヒロインのオルガ・キュリレンコが実に魅力的。であるだけに彼女の背中のお肌がアレなのはいかがなものか。一応、中盤で彼女が幼小期の体験(それは終盤で反復される)を語るところから、その時にできた外傷なのかなと好意的に解釈してはみたのだが(だとしたらそれを活かす演出があってもいいはず)。にしてもあんなに背中の開いたドレスばかり着させるのは主演女優に対する配慮なさすぎ。またこの物語、彼女の視点から描いた方が面白くなったのでは。もっともそうすると『007』映画ではなくなってしまうのだが。脚本もとっ散らかり過ぎ。重油まみれの女体というアイデアは視覚的にちょっと面白かった(まあ黄金まみれの女体の変奏だが)。あと主題歌にアリシア・キーズを起用したのは個人的にツボ。それにしても『007』シリーズからユーモアがどんどん失われていくのは実に寂しい。