花井さちこの華麗な生涯

a)『セコハン・ラヴ〔多淫OL 朝まで抜かないで〕』(女池充
b)『花井さちこの華麗な生涯』(女池充
b) 劇場公開版『発情家庭教師 先生の愛汁』よりも三十分長いディレクターズ・カット版での上映。プリントが出来上がったのが今日の午前中というできたてのホヤホヤ。ヒロインのイメクラ嬢が殺人現場に居合わせ、それを携帯で「写メ〜ル、パチ」とかやっていると、そのまま殺し屋に額を打ち抜かれる。ところが急所を外れたらしくそのままムクっと起き上がり、彼女はその場を立ち去る。殺しの原因となった「大統領の指」をバッグに入れて。額に開いた穴にメイク用ペンシルをぐりぐり突っ込むと銃弾が脳内のどこかを刺激して、彼女のIQは急に物凄くアップしてしまう。古今の思想家の名前を列挙しながら*1、哲学教授を誘惑し*2、そのまま彼の息子の家庭教師として住み込むことになる。一方、殺し屋は「大統領の指」を追って、彼女の家で待ち伏せするが、記憶を失った彼女は帰ってくるはずもなく、いつしか殺し屋は彼女に恋をしてしまう。イラク、北朝鮮など時事ネタを盛り込みつつ、日本語を喋るブッシュも出演する。やがて「大統領の指」の秘密を知ったヒロインと殺し屋も共に命を狙われることになり、物語は壮大かつチープに展開していく。ラスト近くでヒロインと殺し屋が一瞬、幻視する朝鮮半島の(?)海岸のシーンは感動的ですらある。追加された三十分は主に伊藤猛演じる殺し屋のシーンで、だらだらしていた作品が一層だらだらしたものになったということだが、これがよかった。なおヒロインを演じた女優は撮影当時、現役のイメクラ嬢で、しかも何と数カ月前にチョコボール向井が逮捕された時に相手役をしていたそうだ。これまたびっくり。とても面白いのでディレクターズ・カット版を見る機会があればぜひお見逃しなく。

*1:といってもほとんど言っていることはデタラメなのだが。

*2:このシーンでヒロインが東大本郷キャンパスを歩いていたので驚いた。たぶんゲリラ撮影だと思われる。