ジュ・テーム、ジュ・テーム

a)『ジュ・テーム、ジュ・テーム』(アラン・レネ
a)ある意味、バカ映画。自殺未遂から回復した男がタイムトラベルを研究している秘密施設にリクルートされ、巨大なジャガイモみたいなグロテスクなタイムマシーン(胎内を思わせる)に入ってタイムスリップ。といってもそこはレネらしく、主人公の過去の映像の断片がループ&リミックスされる。海から出てきた彼の映像が何度もループされるところはほとんどギャグである。ちなみに黒沢清はテレビ短編『タイムスリップ』でほぼ同じことをさらにシンプルなやりかたでコメディにしている。主人公の部屋の壁に『大アマゾンの半魚人』(ジャック・アーノルド)のポスターが貼ってあって、本棚にはさりげなくその人形が飾ってあるのだが、「記憶の混乱」を表現するためか、何度か半魚人ネタが出てくる(半魚人のマスクを被った門番、公衆電話ボックスの中で溺れそうになる男)。