参考までに「カイエ週間」で上映される作品がフランス本国でどういう評価を受けているかを「allocine」の星取り表で調べてみました。★4つが満点。サイトには他にも「レザンロック」「ル・モンド」などの評も載っていますが、日本でも評者たちの名がある程度知られている、という理由から「カイエ」「リベラシオン」の二誌に絞ってあります。なお『侵入者』、『高みにのぼる猫』はデータベースに入っていませんでした。
まあ、あくまで参考にね。個人的にはビュルドー君やフロドン氏は映画批評家として全く信用していないし(何せ前者は『鉄西区』に★4つ、『スパイダーマン2』に★2つをつけた人だし、後者は「ブレッソン・シンポジウム」の時にリュック・ベッソン版『ジャンヌ・ダルク』を絶賛してフロランス・ドレとアンヌ・ヴィアゼムスキーに顰蹙を買った人ですから)、ミア・ハンセン=ラブにいたっては映画批評家ではなく、『八月の終わり、九月の初め』(アサイヤス)に出演していた女の子だし。しかし驚くべきは『clean』の評価の高さ。まあフロドン氏は今回の作品選定に一応関わっているはずなので全作品をある程度は擁護するというスタンスなんでしょう、多分。
以下、作品名のすぐ下に、雑誌名、評価、評者の順に並んでいます。
『“男たちと共に”演技するレオ』(アルノー・デプレシャン)
リベラシオン ★★ アントワーヌ・ド・ベック
『アデュー』(アルノー・デ・パリエール)
リベラシオン ★★★★ フィリップ・アズーリ
『イルミネーション』(パスカル・ブルトン)
カイエ ★★ エマニュエル・ビュルドー
リベラシオン ★★ アントワーヌ・ド・ベック
『clean』(オリヴィエ・アサイヤス)
カイエ ★★★★ ジャン=ミシェル・フロドン
リベラシオン ★★★★ フィリップ・アズーリ
『Notre musique』(ジャン=リュック・ゴダール)
カイエ ★★ ジャン=ミシェル・フロドン
リベラシオン ★★★ フィリップ・アズーリ
『オルド』(ロランス・フェレイラ=バルボザ)
カイエ ★★ ベゴドー・フランソワ
『バス=ノルマンディー』(パトリシア・マズュイ/シモン・レジアーニ)
カイエ ★★★ オリヴィエ・セギュレ
『いつか会える』(ブノワ・ジャコ)
カイエ ★★★ ミア・ハンセン=ラブ
リベラシオン ★★★★ ディディエ・ペロン
『明日、引っ越す』(シャンタル・アケルマン)
リベラシオン ★★★ ジェラール・ルフォー
『Demonlover』
リベラシオン ★★★ エドゥアルド・ワイントロープ
『行ったり来たり』
カイエ ★★★ オリヴィエ・ジョヤール
リベラシオン ★★ ディディエ・ペロン
『ルーヴル美術館への訪問』
カイエ ★★★★ アントワーヌ・ティリオン
リベラシオン ★★★ エルヴェ・ゴーヴィル
『トルチュ島に漂流した人たち』
カイエ ★★ ジャン=フィリップ・テッセ
リベラシオン ★★★ ディディエ・ペロン
最後に一言、私としては彼らが無視したり、★2つつけたりした映画作家の方が好きだし、擁護したいと思う(いくつか例外はあるが)。
allocine http://www.allocine.fr/