ヒア&ゼア・こことよそ
「Senses of Cinema」が各国の映画批評家の2004年映画ベストを載せている。ちなみに蓮實重彦氏(今年は「Film Comment」誌ではないのね)のベストテンとコメントは以下の通り(拙訳)。
2004年日本公開の映画ベストテン(アルファベット順)。
『珈琲時光』(侯孝賢)
『犬猫』(井口奈己)
『DV2』(フレデリック・ワイズマン)
『Five』(アッバス・キアロスタミ)
『ヴァンダの部屋』(ペドロ・コスタ)
『キル・ビル Vol.2』(クエンティン・タランティーノ)
『ルーニー・テューンズ:バック・イン・アクション』(ジョー・ダンテ)
『子猫をお願い』(チョン・ジェウン)
『永遠の語らい』(マノエル・ド・オリヴェイラ)
『Notre Musique』(ジャン=リュック・ゴダール)日本の2004年は東アジアからの才能豊かな女性監督たちの驚くべき出現によって記憶される。すなわち、すでに処女作(『萌の朱雀』,1997カメラ・ドール受賞)がカンヌで高く評価された河瀬直美(『沙羅双樹』,2003)に加え、井口奈己(『犬猫』)、チョン・ジェウン(『子猫をお願い』)等々。彼女たちの演出の質は間違いなくソフィア・コッポラの『ロスト・イン・トランスレーション』(2003)よりも上である。
ベストDVD:『鄙より都会へ』(ジョン・フォード,1917)年二回発行のフランスの批評誌『cinema 08』(レオ・シェール書店,2004)の付録。
なるほど。『Five』が入っているあたり、読んでいてかなり動揺した。『珈琲時光』、『ヴァンダの部屋』、『永遠の語らい』は二年連続で入っている(『映画狂人最後に笑う』を参照)。アメリカ映画では、ティム・バートン、サム・ライミではなくて、タランティーノとジョー・ダンテを選んでいるのも、この方らしい。それにしても、かわいそうなソフィア・コッポラ…私は好きですけど。なお、蓮實氏の他にもフロドン、クリス・フジワラ、ビル・クローンなどのベストも載っている*1。しかし、この「Senses of Cinema」といい「ROUGE」といいオーストラリアのオンライン映画批評誌は大変充実していて羨ましいかぎりだ。
Senses of Cinema http://www.sensesofcinema.com/
ROUGE http://www.rouge.com.au/index.html
- 作者: 蓮實重彦
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2004/09/11
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