恵みの映画の断片

hj3s-kzu2005-03-27

a)『ソフィア・デ・メロ・ブレイネル・アンドレセン』(ジョアン・セーザル・モンテイロ)★★★★
b)『死人の靴を待つものは裸足で死ぬ』(ジョアン・セーザル・モンテイロ)★★★★
c)『恵みの映画の断片』(ジョアン・セーザル・モンテイロ)★★★★

これらの作品についてはid:hj3s-kzu:20040526およびid:hj3s-kzu:20040528を参照のこと。なお、詳しいデータは以下の通り(Contre Champ作成)。

ソフィア・デ・メロ・ブレイネル・アンドレセン Sophia de Mello Breyner Andresen 1969(17分)
監督・編集:ジョアン・セーザル・モンテイロ/脚本:ソフィア・デ・メロ・ブレイネル・アンドレセンの詩/助監督:ジョルジュ・シルヴァ・メロ/撮影:アベル・エスコート/録音:アレクサンドル・ゴンサルヴェス/製作:リカルド・マレイロ/出演:ソフィア・デ・メロ・ブレイネル・アンドレセンと家族
「私の映画は結局のところ、詩は映画化できないし、それを試みるのは無駄だということを理解し、受け入れようとしている人たちへの証拠を表しているのだと思う」(ジョアン・セーザル・モンテイロ


死人の靴を待つものは裸足で死ぬ Quem espera por sapatos de defunto morre descalcao 1970(33分)
脚本・監督・編集:ジョアン・セーザル・モンテイロ/助監督:ジョルジュ・シルヴァ・メロ、ソルヴェイグ・ノルドゥルンド、ドゥカール・クルス/撮影:アカシオ・デ・アルメイダ/録音:アレクサンドル・ゴンサルヴェス/音楽:ジョセ・アルベルト・ジル/製作進行:ジョルジュ・シルヴァ・メロ/製作:ジョアン・セーザル・モンテイロ、カロスト・グルベンキアン財団/出演:ルイス・ミゲル・シントラ(リヴィオ)、カルロス・フェレイロ(マリオ)、パウラ・フェレイラ(モニカ)他/ナレーション:ジョアン・セーザル・モンテイロ、ヌーノ・ジュディス
「これは貝殻のように渦を巻いた稠密な映画だ。ランボーを間違って引用し、「真の映画は至る所にある」と私たちは言うだろう。製作者がフィルムに収めようとしたのは、映画それ自体というよりも、鏡を通したような暗いその反映である。鏡に向き合って、それからモニカは、反省された言葉を通して、リヴィオの戦略の開示において彼女の戦略を開示し、言葉を通して彼女自身を解放する。ここでは言葉は道徳的な選択、裸にされた良心、真実の掌握である。不在の、そして画面の外(スクリーンという幻想から遠く離れて、真の映画が生起する)にいるリヴィオへのモニカの眼差し(あるいは彼女の代役の眼差し)は、彼女の内なる対話を絶えず支配する魅惑と反発の噴出の一部を形成する。彼女の眼差しの発見?それはもちろん映画それ自身の発見だ。空を飛ぶ鳥のように開かれた透明な映画。その謎めいた曖昧な運動の原因を究明する別の方法を探し求めようではないか。結局、それこそが意義のあることではないだろうか?」(ジョアン・セーザル・モンテイロ


恵みの映画の断片 Fragmentos de um Filme-Esmola 1972(72分)
脚本・監督・編集:ジョアン・セーザル・モンテイロ/助監督:マルガリーダ・ジル/撮影:アカシオ・デ・アルメイダ/録音:ジョアン・ディオーゴ/音楽:モーツァルトシュトックハウゼン/台詞:アイスキュロスアンドレ・ブルトンジェイムズ・ジョイス、フランシス・ポンジュ/製作進行:エンリケ・エスピリト・サント/製作:ポルトガル映画センター/出演:マヌエラ・デ・フレイタス、ジョアン・ペリー、ダリラ・ローシャ、カタリーナ・コエーリョ、フェルナンド・ルソ・ソアーレス、クレメンティーナ・モンテイロ、ジョセ・ガブリエル・トリンダーデ・サントス/ナレーション:ルイス・ミゲル・シントラ
「マリアはドイツのレインハット工場で製造部門の監督官として働いている。いわゆる実生活との関係を断ち切ったジョアン・ルーカスは、文字通り、植物に囲まれたベッドの中で生活している。父によって表現された意志のために、8mm映画を撮影している子供は、ほんの少し常軌を逸した日常だ。双方の映画にとってしばしば目に見える幻想の源でありつつ、このセットは住まいとして、そして撮影スタジオとして二重に機能することを考えなくてはならない。マリアの勝利は、いわば家庭的でアマチュア的なばかげた映画制作の最後の一片まで貪り喰ってしまう。」(ジョアン・セーザル・モンテイロ