a)『誤発弾』(ユ・ヒョンモク)★★★

弟が銀行強盗で逮捕され、妻が難産で急逝したそんな日に人は歯を抜いたりしない。しかしこの映画の主人公はそうするのだ!しかも親知らずを同時に二本も!そんな無茶な。新東宝ノワール的な雰囲気の中で展開される行き場のなさ。この閉塞感は現代においてどこかホン・サンスのデビュー作に通じるところがあるように思う(特にアパートの最上階に住む女の挿話)。